【卓球】2022世界ランキング システム

2022年は、2021年1月6日にITTF(世界卓球連盟)から発表された2021年世界ランキングシステム規定(2021ITTF TABLE TENNIS WORLD RANKING REGULATION)が引き継がれています。
ここでは、その内容を簡単にまとめます。

  1. ITTF卓球世界ランキングの概要は以下の通りです。
    • ITTF認定大会のエントリー選択に使用
    • ITTF認定大会のシード順の決定に使用
    • 7月の世界ランキングからオリンピックのシード決定用ランキングを作成
    • 毎週火曜日に発表
      
WTTの各シリーズの概要については こちらのページを参照してください。

1. 2022年ITTF世界ランキングシステムの概要

卓球選手がITTF認定の国際大会に出場すると、大会の結果、つまり何回戦(ラウンド)まで進んだか(何回戦で負けたか)によってポイントを獲得できます(これを「獲得ポイント」と呼びます)。この獲得ポイントが以下に説明する一定のルールによって積算されたものが「ランキングポイント」です。このランキングポイントが多い順にカテゴリーごとに世界ランキングが作成されます。


  1. ITTF認定大会
    • WTTグランドスマッシュ
    • オリンピック
    • ITTF世界卓球選手権大会
    • WTTカップファイナル
    • ITTFワールドカップ
    • WTTチャンピオン
    • WTTスターコンテンダー
    • 大陸選手権(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニア、パンアメリカ)
    • 大陸カップ(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニア、パンアメリカ)
    • WTTコンテンダー
    • マルチスポーツ競技大会(アジア競技大会、コモンウェルスゲームズなど)での卓球競技
    • WTTフィーダー
    • ITTF世界ユース選手権大会(U19)
    • WTTフューチャースターカップ
    • WTTユーススターコンテンダー(U19)
    • WTTユースコンテンダー(U19)
  2. 世界ランキングが作成されるカテゴリーは以下の通りです。また、世界ランキングはシニアのみになりました。
    • 女子シングルス
    • 男子シングルス
    • 女子ダブルス(ペア)
    • 男子ダブルス(ペア)
    • 女子ダブルス(個人)
    • 男子ダブルス(個人)
    • 混合ダブルス(ペア)
    • 混合ダブルス(個人)
  3. 大会で得られるポイントはその大会での最終成績で決まります。最終成績とは何回戦まで進んだか、つまり何回戦で負けたかで「1回戦敗退」や「準決勝敗退」、または「優勝」などです。同じ大会では、最終成績が良ければ獲得するポイントも高くなります。
  4. 同じ最終成績でも大会の「格」によって獲得ポイントは異なります。例えばシングルスの「優勝」の場合、通常のWTTチャンピオンシリーズでは1000ポイントですが、格上のワールドカップでは1500ポイント、一番格上のオリンピックと世界卓球選手権では2000ポイントになります。
  5. 大会で獲得したポイントの有効期限は1年間です。その獲得ポイントが有効になった翌年の同じ週に無効になります(2020年の世界ランキングシステムでは世界選手権は2年後の同じ種目(個人戦または団体戦)が行われますまで、ワールドカップや大陸カップは翌年の同一大会まで有効でした)。
  6. ランキングポイントは、有効な獲得ポイントのうち大きなポイントを8個合計したポイントになります。
  7. ランキングを決定する場合、ランキングポイント(8大会分の合計)が多い順で順位が決定します。

2. ポイント表

2.1 各大会での獲得ポイント

各大会の最終結果(敗退した回戦)での獲得ポイントは以下のとおりです。「F」は準優勝、「SF」は準決勝敗退、「QF」は準々決勝敗退(ベスト8敗退)、「R16」はベスト16敗退、「R32」はベスト32敗退となります。 また、「QR1」は予選1回戦敗退、「QR2」は予選2回戦敗退のようになります。予選で勝ち抜いて本戦に進んだ場合は、本戦での獲得ポイントに「QUAL」のポイントがその大会での加算されたものが獲得ポイントになります。
ここでは、シングルスのポイント表を記載します。

   
大会/ラウンド 優勝 F SF QF R16 R32 R64 R128 QUAL QR4 QR3 QR2 QR1
オリンピック 2000 1400 700 350 175 90 45 20 5
WTTグランドスマッシュ 2000 1400 700 350 175 90 10 30 20 10 5
世界選手権 2000 1400 700 350 175 90 45 10  
WTTカップファイナル 1500 1050 525 265 100
ITTFワールドカップ 1500 1050 525 265 130 50
WTTチャンピオン 1000 700 350 175 90 15  
WTTスターコンテンダー(Q64/48*) 600 420 210 105 55 25 5 20 15 6 3
WTTスターコンテンダー(Q32*) 600 420 210 105 55 25 5 20 12 3
大陸カップ 500 350 175 90 10
大陸選手権/競技大会 500 350 175 90 45      
WTTコンテンダー(Q96*) 400 280 140 70 35 4 15 10 7 4 2
WTTコンテンダー(Q64/48*) 400 280 140 70 35 4 15 10 6 2
マルチスポーツ競技会 100 70 35 20 10
WTTフィーダー(MD 64/48) 150 105 55 30 15 8 2 8 6 3 2 1
WTTフィーダー(MD 32) 150 105 55 30 15   8 6 3 2 1
国際大会 75 55 25 15 5    
世界ユース選手権(U19) 75 55 25 15 5 2
WTTフューチャースターカップ 75 55 25 15 5
WTTユーススターコンテンダー(U19) 60 40 20 10 5 **
大陸選手権/競技大会(U21) 35 20 10 5 2
WTTユースコンテンダー(U19) 20 15 8 4 2
  

(メモ)* Q48は予選が48名まで、Q64は予選が64名まで、Q96は予選が96名までです。
** 予選はグループリーグで行われ、1勝につき1ポイントになります。

[2021/6/17]国際大会(International Event)の最初のラウンド(1回戦や2回戦)での敗退時のポイントを増加
また、U21大陸選手権/競技大会が世界ランキングの対象大会に追加されました。
[2022/7/14]WTTフィーダーのポイント変更。「大陸選手権/競技大会(U21)」を追加

       

2.2 2021年ランキングポイントの移行措置の廃止

2021年に以下の様な移行措置が行われ2022年から持ち越しポイントがなくなる予定でしたが、コロナ感染症の影響で大会を開催できなかったため2022年も2020年12月のポイントの50%を持ち越していました。しかし、2021年秋から徐々に大会が開催されるようになり2022年1月30日から持ち越しポイントが20%になり、4月29日で持ち越しポイントがなくなりました。また、2022年12月31日までは無効になるポイントはないということです(4月29日の発表)。

(2021年の移行措置)

新しいランキングシステムへの移行期に当たるため、特別に2021年のランキングポイント(8大会の獲得ポイントの合計)と、2020年12月のランキングポイントに次の表の割合を 掛けたポイントを合計したポイントがランキングポイントとして使用されます。

1~6 7~12 13~18 19~24 25~30 31~36 37~42 43~48 49~
割合 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0%

[2021/5/10]コロナ禍で国際大会が開催されていないため、世界ランキングポイントの基礎ポイント(2021年の獲得ポイントに加算するポイント)が2020年12月のランキングポイントの60%で凍結されることになりました。今後のポイント削減の方法については2021年後半の状況で判断するそうです。
[2021/8/3]第37週まで引き続き世界ランキングポイントの基礎ポイントが2020年12月のポイントの60%で凍結されることになりました。
[2021/9/21]世界ランキングポイントの基礎ポイントの60%での凍結が第47週まで延期され、第48週から年末まで50%で維持されることになりました。