【卓球】2024パリオリンピック卓球代表への道

東京オリンピックが終わって間もない2021年9月11日に日本卓球協会から2024年パリオリンピックの卓球の代表の選考方法が発表されました。 [2023/1/28:2022年および2023/1/16に加えられた変更を記事に反映しました]

(現在のパリオリンピック選考ポイントの選手別獲得状況はこちらをご覧ください)

ロンドン、リオ、東京オリンピックの代表選考ではシングルスの代表はオリンピックの開催前年末の世界ランキングの上位2名が自動的に選ばれていましたが、2024パリオリンピック代表の選考では以下のように選考方法が変わりました。

  1. 日本卓球協会が独自にポイントシステムを定め、そのポイントを基準にシングルスの代表を決定する
  2. 選考期間中に選考ポイントを獲得できる代表選考会を複数回実施する
  3. 選考ポイントを獲得できる大会(試合)は以下のとおりとする
    • パリオリンピック代表選考会(2022年/2023年各3回開催を予定)
    • アジア競技大会(2022年)
    • アジア選手権(2023年)
    • 2023年世界選手権(個人戦)
    • Tリーグ2022-2023シーズンの試合(2022年個人戦、2022-2023シーズンの各マッチの勝利)
    • Tリーグ2023-2024シーズンの試合(2023年個人戦、2023-2024シーズンの2023年内の試合の各マッチの勝利)
    • Tリーグ個人戦(2022年、2023年各1回開催)
    • 全日本選手権(2023年、2024年)
    • 国際大会(2023/1/30~2024/1/21)での中国トップ3選手に対する勝利
  4. シングルス代表男女各2名は累積ポイントの上位2名が選ばれる
  5. 団体戦のメンバーはシングルス代表2名に加え、日本卓球協会が選考した1名を加えた3名
  6. 混合ダブルスの代表は団体戦の代表男女各3名から男女1名ずつを日本卓球協会が選考する
  7. WTTの大会を選考基準に加えるかどうかは今後の状況で判断する

このような選考方法になった経緯は、以下のように推測されます。

コロナ禍の状況でITTF(国際卓球連盟)が主催するWTT(World Table Tennis)の大会の開催が不確定であり、世界ランキングも2021年に十分な大会が行われていないため、例外的に2020年の獲得ポイントが引き続き加味されるなど暫定的なものとなっています。 このような状況で、大会数が少なければすべての選手に平等に代表選考に挑戦するチャンスが担保できないこともあり、2024パリオリンピック代表選考においては日本卓球協会が世界ランキングの代わりになる多くの選手に平等にチャンスがあるようなポイントシステムを定めて、その獲得ポイントを基準に代表を選考することになったと推測します。

また、WTTの大会がすべての選手に公平に出場機会が与えられるようになれば、WTTの大会でも選考ポイントが与えられるように変更する可能性があるようですが、コンテンダー大会などでの各国の出場選手数の制限が撤廃される可能性は少ないと思われます。

以下に、選考ポイント獲得の対象になる大会(試合)および獲得できるポイントの表を記載します。

1.2024パリオリンピック シングルス代表選考ポイント表

a. 2022年の大会(試合)
2022年の大会(試合) 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 ベスト16 ベスト32
第1回パリ五輪選考会 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5
第2回パリ五輪選考会 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5
アジア競技大会シングルス 80 60 40 40 20 20 20 20 10 5
第3回パリ五輪選考会 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5
2022Tリーグ個人戦 25 20 15 10 5 5 5 5 3 ベスト24は1点
                   
Tリーグ 2022-2023シーズン シングルス 1勝 2勝
レギュラーシーズン 1 2
ビクトリーマッチ 0.5 1
セミファイナル(ビクトリーマッチは半分のポイント) 1 2
ファイナル(ビクトリーマッチは半分のポイント) 2 4
b. 2023年の大会(試合)
2023年の大会(試合) 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 ベスト16 ベスト32
全日本選手権 60 50 40 40 25 25 25 25 10 5
第4回パリ五輪選考会 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10
世界選手権シングルス 200 160 120 120 80 80 80 80 40 20
第5回パリ五輪選考会 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10
アジア選手権シングルス 160 120 80 80 40 40 40 40 20 10
第6回パリ五輪選考会 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10
2023Tリーグ個人戦 50 40 30 20 10 10 10 10 6
Tリーグ 2023-2024シーズンシングルス(2023年12月末までの試合) 1勝 2勝
レギュラーシーズン 2 4
ビクトリーマッチ 1 2
セミファイナル(ビクトリーマッチは半分のポイント) 2 4
ファイナル(ビクトリーマッチは半分のポイント) 4 8
2023年1/30~2024年1月21日の国際大会(個人種目)で中国トップ3選手に勝利(*) 1勝 2勝
7ゲームマッチ 15 30
5ゲームマッチ 10 20
c. 2024年の大会(試合)
2024年の大会(試合) 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 ベスト16 ベスト32
全日本選手権 120 100 80 80 50 50 50 50 20 10

(*)アジア競技大会を除く。「中国トップ3選手」とは対戦時の世界ランキングが上位3名以内の中国選手を指す。「勝利」は対戦相手の棄権(途中棄権を含む)は対象としない。

現在のパリオリンピック選考ポイントの選手別獲得状況はこちらをご覧ください。