A CHRISTMAS CAROL (Abridged)

本のレビュー

Scrooge は年老いた冷徹なビジネスマンです。そして、ある日突然共同経営者の Marley が亡くなってしまいます。葬式は質素なものでケチな Scrooge はMarley の名前の出ている看板さえ書き換えずに商売を続けていました。そして、クリスマスイブの夜に寝床に Marley の幽霊が訪ねて来て忠告します。他人に冷徹に振る舞っていると死んでからろくな目に会わないというのです。そして自分はもう時間がないが代わりに3人の霊が訪ねてくるだろうと言い残して去っていきます。さて、何が起こるのでしょうか。

クリスマスは過ぎてしまいましたが、何年も前に買っていた Abridged 版の A Christmas Carol を今年こそはと読みました。この本は、写真や挿絵のきれいな旅行ガイドなどを出版している DK (DORLING KINDERSLEY) の本です。やはり、きれいな写真や挿絵が入っていて、本文以外に A Crismas Carol が書かれた当時の社会のことや物語の中に登場するものの説明があります。たとえば、”forfeits” という遊びの説明やクリスマスの食卓に上がる “punch” や “brawn”、”Chrismas Pudding” などの写真付きの説明があったりします。また、クリスマスに食べる鳥の丸焼きは Goose は貧乏人が食べるのが普通で金持ちは Turkey を食べるという説明があります。英語圏でも、現代の子供が Dickens の小説を理解するためには知る必要のある知識がかなりあるのですね。こういった説明は本文のあるページの端に細かい字で書いてあり、解説だけをしているページも字が小さいので、解説と説明の量は本文より多いと思います。説明を見ながら読むのは SSS多読のやり方ではないですが物語をより深く理解できたのは確かです。 また、Andrew Sachs による65分の効果音入り朗読 CD が付いてます。語数は解説も含めて1万語前後だと思います。これで、$9.99 なので安いのですが、今は Amazon に在庫がなく業者からだと 4000円以上するみたいです。

A Christmas Carol は Charles Dickens が 31 才のとき (1843年) に6週間で書き上げクリスマス前に出版しました。当時のイギリスは貧富の差が最も激しい時期で、1日12時間週に6日、低賃金で働く人も多かったようです。子供の頃に貧乏でろくに教育も受けられなかったため作家になるまで自分自身も working poor だった Dickens は、貧困を何とかしたかったらしいです。それで、クリスマスは人にやさしくする時だと訴えたくてこの物語を書いたそうです。Street children も多かったらしく Dickens は特に貧乏な子供を救うには教育が必要だと考えました。このために、Dickens はチャリティの朗読会を始めて募金を呼び掛け基金を募り慈善の病院や教育機関を作りました。最初の朗読会 (Public Reading) で読んだのが A Chrismas Carol だったそうです。

コメント

  1. yukaffe より:

    モーリンさん、こんにちは! DKの本って読み応え、見応え共にばっちりですよね! 私も大好きです。でも読みたい本がたくさんありすぎて、 最近は、忘れてました。私もまたDKの物、見つけてみようと思いました! そして、フォーラムにも無料本&キンドルの報告、ありがとうございます。 読ませて頂きました! これからも色々、紹介ください! Happy Reading ♪

    • モーリン より:

      実はこの本、台湾で買ったのです。どうも DK のこの手の本はあまりないようですね。ホームページをチェックしましたが、やはりノンフィクションが多いようです。でも、e-book が大量にあるのを発見しました。過去の出版物を電子化したのでしょうね。Abobi フォーマットのようです。

  2. 人生四年 より:

    A Christmas Carolは私が洋書を読むきっかけになった本です。2年前に地元図書館にフラッと立ち寄って、子供向けの英書なら読めるだろうと安易に借りて帰ったのですが、あまりの難しさに呆然としました。 forfeitsという単語は読み飛ばしていました。Chrismas Puddingは今Googleで画像検索してようやく理解しました。また、今年読んだHow To Win Friends And Influence Peopleに、ディケンズの貧しい少年時代に関する短いエピソードがありました。不思議な巡り合わせですね。

    • モーリン より:

      人生四年さん、コメントありがとうございます。 そうなんですか。洋書のきっかけとしては確かに難しいですが、いい本です。しばらくしたらabridgedでない方も読んでみたいと思います。 紹介した本には、workhouse や undertaker などの説明や写真もありました。この 2 つの単語は Oliver Twist を読んだ時になんとなくわかったけどはっきりはわからない単語でした。このシリーズが他の古典にもないのは残念です。 では。

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