卓球の世界ランキング » 卓球世界ランキング(2019年5月)
国際卓球連盟(ITTF)のホームページで2019年5月の世界ランキングが発表されました。ランキング順とランキングポイントをまとめます。
2019年5月のランキングポイントは原則2018年5月から2019年4月に行われた大会が対象になります。つまり、2019年4月に獲得したポイントが4月のランキングポイントに加えて新たにランキングポイントの対象になり、2018年4月に獲得したポイントは対象でなくなります。
2019年4月に行われた大会では以下の大会がシニアのポイントの対象になります。
また、5月の世界ランキングでポイントが無効になった大会は以下の5大会です。
*カッコ内は前月順位 | 女子 | ポイント | 男子 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 丁寧(中国)(1) | 15465(-1050) | 樊振東(中国)(1) | 15230(-1306) |
2 | 陳夢(中国)(3) | 1526016059(+66) | 林高遠(中国)(3) | 14400(-631) |
3 | 王曼昱(中国)(4) | 15255(+550) | 許昕(中国)(2) | 14045(-1050) |
4 | 劉詩雯(中国)(5) | 15150(+600) | 張本智和(日本)(4) | 13740(-750) |
5 | 朱雨玲(中国)(2) | 14595(-1464) | 馬龍(中国)(11) | 13260(+1330) |
6 | 石川佳純(日本)(6) | 13923(-600) | 梁靖崑(中国)(9) | 13139(+1050) |
7 | 伊藤美誠(日本)(7) | 13520(-360) | ティモ・ボル(ドイツ)(5) | 12940(-900) |
8 | 鄭怡静(台湾)(8) | 12330(-781) | ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)(7) | 12365(-300) |
9 | 平野美宇(日本)(9) | 11760(-938) | 張禹珍(韓国)(10) | 11939(±0) |
10 | 徐孝元(韓国)(11) | 11300(-300) | 李尚洙(韓国)(6) | 11865(-1494) |
11 | 杜凱栞(香港)(12) | 11060 (-91) | ファルク(スウェーデン) (16) | 11775(+50) |
12 | 馮天薇(シンガポール)(10) | 10735(-900) | 丹羽孝希(日本)(8) | 11475 (-721) |
13 | 芝田沙季(日本)(14) | 10464 (±0) | 水谷隼(日本)(13) | 11370(-300) |
14 | 佐藤瞳(日本)(13) | 10195(-305) | ピッチフォード(イングランド)(15) | 10940(±0) |
今月も先月に続いてトップ10のポイントが大きく変動し、男子は順位も大きく動きました。
変動と言っても多くの選手が先月と同じように大幅にランキングポイントが減少しています。これには以下の理由があります。
前回大会(2017) | 結果 | 今回大会 |
---|---|---|
3000 | 優勝 | 3000 |
2700 | 準優勝 | 2550 |
2400 | 準決勝敗退 | 1950 |
2100 | 準々決勝敗退 | 1500 |
1800 | 4回戦(R16)敗退 | 1200 |
1500 | 3回戦(R32)敗退 | 900 |
1200 | 2回戦(R64)敗退 | 600 |
900 | 1回戦(R128)敗退 | 450 |
そのほかの主な日本選手の順位は、女子は、加藤美優22位(22位)、橋本帆乃香23位(26位)、安藤みなみ29位(33位)、早田ひな30位(34位)、長﨑美柚38位(39位)となっています。
男子は、大島祐哉22位(25位)、上田仁26位(27位)、吉村真晴28位(33位)、森薗政崇33位(45位)、吉村和弘36位(50位)、松平健太44位(44位)、となっています。
加藤美優と松平健太以外は前回の世界選手権に出場していないため大きなポイントの失効がなくランキングポイントがほとんど変動していません。一方、50位までには2017年の世界選手権に出場したアジアやヨーロッパの選手が多く、これらの選手が軒並みランキングポイントを減らしているため相対的に順位が上がっています。
加藤美優は2017年は4回戦まで進み1800ポイントを獲得していたのですが今回準々決勝まで進んで1500ポイントを獲得できたため300ポイントの減少で済んでいます。松平健太は、2017年は1回戦敗退で獲得した900ポイントが失効し、今回は出場しなかったので獲得ポイント0ですがポイントが小さかったので周りと減少幅が同じで順位に影響がありませんでした。
一方、2017年の大会に出場していない森薗政崇と吉村和弘はポイントの失効がなく、今大会の獲得ポイントが算入されたためポイントが増えて順位が大幅に増加しています。
今月はランキングポイントの変動が大きく、変動のパターンもいくつかあったので、ランキングシステムの確認も兼ねてランキングポイントの変動について少し深く見て行こうと思います(2019ランキングシステムの詳細はこちら)。
(1) のパターンの例は丁寧と劉詩雯です。両選手とも2017年と2019年の世界卓球には出場していますが、2018年も2019年もアジアカップには出場していません。この結果、2017年と2019年の世界選手権のポイントが入れ替わっただけです(世界選手権個人戦のポイントは次回の世界選手権個人戦まで有効です(こちらを参照))
計算は次のようになります。
4月のランキングポイント - 2017世界選手権のポイント + 2019世界選手権のポイント = 5月のランキングポイント
4月のランキングポイント | 2017世界選手権のポイント | 2019世界選手権のポイント | 5月のランキングポイント | |
---|---|---|---|---|
丁寧 | 16515 | 3000 | 1950 | 15465 |
劉詩雯 | 14550 | 2400 | 3000 | 15150 |
4月Rポイント | 2017世界卓球 | 2018アジアカップ | 2019世界卓球 | 2019アジアカップ | 5月Rポイント |
---|---|---|---|---|---|
15194 | 2100 | 1734 | 2550 | 1350 | 15260 |
この(2)のパターンの変則形が平野美宇です。平野美宇は陳夢と同様に、2017年と2019年の世界卓球に出場し、2018年と2019年のアジアカップにも出場しています。しかし、2019アジアカップが6位で獲得ポイントが855ポイントしかありませんでした。5月末時点での有効なポイントを見た場合(「有効ポイント一覧」タブを参照)、4月の世界ランキング時点でランキングポイントに含まれなかったポイントで855ポイント以上のポイントがあります(4月世界ランキング時点の獲得ポイント一覧を参照)。その中で最も高いポイント(次点ポイント)が、ポイントの高い方から8個を選ぶ際にランキングポイントに算入され、2019アジアカップのポイントは算入されません。
4月Rポイント | 2017世界卓球 | 2018アジアカップ | 2019世界卓球 | 2019アジアカップ | 次点ポイント | 5月Rポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
12698 | 2400 | 1298 | 1500 | ( 855) | 1260 | 11760 |
( 3)のパターンの単純な例は伊藤美誠です。伊藤美誠は、2017年と2019年の世界選手権には出場していますが、2018年と2019年のアジアカップには出場していません。また、2017年の世界選手権のポイントは4月のランキングポイントに算入されていましたが、今回2019世界選手権で獲得した900ポイントは、現時点で有効なポイントの上位8個に含まれない(「有効ポイント一覧」タブを参照)ためランキングポイントには算入されません。替わりに、4月の世界ランキング時点でランキングポイントに算入していないポイントで最も高いポイント(次点ポイント)がランキングポイントに算入されます(4月の世界ランキング時点の有効ポイントの一覧表を参照)。
4月Rポイント | 2017世界卓球 | 2019世界卓球 | 次点ポイント | 5月Rポイント |
---|---|---|---|---|
13880 | 1800 | 900 | 1440 | 13520 |
また、石川佳純も少し変形ですがこのパターンと言えます。石川佳純は、2017年と2019年の世界卓球に出場し、2018年と2019年のアジアカップにも出場しています。しかし、4月のランキングポイントに算入されていたのは2017世界選手権のポイントだけで、2018アジアカップのポイントは含まれていませんでした。これはもちろん、2018アジアカップでの獲得ポイント(1554ポイント)を越えるポイントが8個以上あったためです(4月の世界ランキング時点の有効ポイント一覧を参照)。また、今回の2019アジアカップと2019世界選手権で獲得したポイントより高いポイントで4月のランキングポイントに算入されていないポイントがまだあるため、そちらのポイント(次点ポイント)が替わりに算入されました。
4月Rポイント | 2017世界卓球 | 2018アジアカップ | 2019世界卓球 | 2019アジアカップ | 次点ポイント | 5月Rポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
14523 | 2100 | (1554) | 1200 | 1170 | 1500 | 13923 |
( 4)は5月の世界ランキング時点で失効するポイントがない、つまり2017世界選手権にも2018アジアカップにも出場していな場合の変動パターンです。これに当たるのは女子では王曼昱、男子では梁靖崑です。
この変動パターンの場合は失効ポイントがないので、4月のランキングポイントに算入されていた8個のポイントの中で最低のポイント(4月の世界ランキング時点の有効ポイント一覧を参照)が、2019世界選手権で獲得したポイントより高い場合はランキングポイントの構成はそのままで、新しく獲得したポイントの方が高い場合は算入するポイントが入れ替わります(「有効ポイント一覧」タブを参照)。
4月Rポイント | 最低ポイント | 2019世界卓球 | 5月Rポイント | |
---|---|---|---|---|
王曼昱 | 14705 | 1400 | 1950 | 15255 |
梁靖崑 | 12089 | 900 | 1950 | 13139 |
丁寧 | 朱雨玲 | 陳夢 | 石川佳純 | 劉詩雯 | 王曼昱 | 伊藤美誠 | 鄭怡静 | 平野美宇 | 徐孝元 | |
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2017世界卓球 | 優勝 | 準優勝 | QF | QF | SF | R16 | R64 | SF | R32 | |
2018/02 | ||||||||||
TWC | 900 3勝 | 900 3勝 | (1500) 5勝 | 300 1勝 | 600 2勝 | 300 1勝 | 600 2勝 | |||
2018/04 | ||||||||||
アジアカップ | 優勝 | 準優勝 | 3位 | 4位 | 5位 | 8位 | ||||
2018世界卓球 | 1500 6勝 | 1250 5勝 | 1000 4勝 | 1750 7勝 | 1500 6勝 | 750 3勝 | 2000 8勝 | 2250 9勝 | 1500 6勝 | 1250 5勝 |
2018/05 | ||||||||||
香港OP | 450 R32 | 1260 QF | 1800 優勝 | 1440 SF | 1080 R16 | 1260 QF | ||||
中国OP | 2025 準優勝 | 1350 R16 | 1575 QF | 2250 優勝 | 1800 SF | 563 R32 | 563 R32 | 563 R32 | ||
タイOP | 900 優勝 | |||||||||
2018/06 | ||||||||||
日本OP | 1260 QF | 1440 SF | 1620 準優勝 | 1800 優勝 | 1260 QF | 1260 QF | 1080 R16 | |||
2018/07 | ||||||||||
韓国OP | 1350 R16 | 2250 優勝 | 2025 準優勝 | 1800 SF | 1800 SF | 1575 QF | 1575 QF | 1575 QF | 563 R32 | 1575 QF |
豪州OP | 2025 準優勝 | 1800 SF | 2250 優勝 | 1575 QF | 563 R32 | 1575 QF | 1350 R16 | |||
2018/08 | ||||||||||
ブルガリアOP | 1800 優勝 | 1260 QF | 450 R32 | 1260 QF | ||||||
チェコOP | 1800 優勝 | 1260 QF | 1260 QF | |||||||
2018/09 | ||||||||||
アジア競技会 | 280 | 1295 準優勝 | 1400 優勝 | 943 QF | 875 QF | |||||
ワールドCUP | 2550 優勝 | 2295 準優勝 | 1913 4位 | 2040 3位 | 1785 QF | 1785 QF | ||||
2018/11 | ||||||||||
スウェOP | 1440 SF | 1620 準優勝 | 1440 準優勝 | 1260 QF | 1260 QF | 1260 QF | 1800 優勝 | 450 R32 | 450 R32 | 1080 R16 |
オーストリア | 1575 QF | 1800 SF | 2250 優勝 | 563 R32 | 1575 QF | 2025 準優勝 | 1350 R16 | 1575 QF | 1350 R16 | 1350 R16 |
2018/12 | ||||||||||
グランドF | 2040 SF | 2040 SF | 2550 優勝 | 1785 QF | 1785 QF | 1785 QF | 1530 R16 | 1785 QF | 1530 R16 | 1530 R16 |
2019/01 | 丁寧 | 朱雨玲 | 陳夢 | 石川佳純 | 劉詩雯 | 王曼昱 | 伊藤美誠 | 鄭怡静 | 平野美宇 | 徐孝元 |
ハンガリーOP | | 1440 準優勝 | 1800 優勝 | 1170 SF | 1170 SF | | ||||
2019/03 | ||||||||||
カタールOP | 1465 SF | 675 R32 | 1800 準優勝 | 2250 優勝 | 1125 QF | 675 R32 | 900 R16 | 115 出場 | ||
2019/04 | ||||||||||
アジアカップ | 1800 優勝 | 1350 準優勝 | 1170 3位 | 765 8位 | 855 6位 | 12 出場 | ||||
2019世界卓球 | 1950 SF | 2550 準優勝 | 1200 R16 | 3000 優勝 | 1950 SF | 900 R32 | 900 R32 | 1500 QF | 1200 R16 |