【卓球】 2017全日本卓球選手権大会(6日目まで)

大会は終わってしまいましたが、6日目までの結果をまとめておこうかと思います。今大会の特徴は少しの波乱とジュニアの活躍でしょうか。

張本智和、ジュニアの3回戦で敗退もその力を発揮した大会

 まず、昨年12月に行われた世界ジュニア選手権の男子シングルスで13歳で最年少優勝した張本智和選手が宮本春樹(愛知明電高)にジュニア男子5回戦で3-2のフルセットで敗退しました。とはいえ、宮本選手は準優勝したので中1でこの戦いぶりはさすがだと思います。張本智和は、男子シングルスと男子ダブルスにもエントリーしていました。男子シングルスはシードではなかったので3回戦のスーパーシード平野友樹(協和発酵キリン、平野早矢香の弟)との対戦で4-0で敗戦。平野友樹は準決勝で水谷準から2セットを奪った強い選手だったのでしかたないですね。男子ダブルスは中学3年の宇田幸矢と中学生ペアでシードなしでしたが、大学生や社会人を次々と破り4回戦、5回戦はスーパーシードにも勝ってベスト8まで勝ち上がりました。準々決勝で愛知明電高の木造勇人/松山祐季ペアに負けてしまいましたが、大健闘ではないでしょうか。ちなみにこの愛知明電高の2人は昨年の世界ジュニア選手権で張本智和と一緒に団体優勝したメンバーです。それにしても、ベスト8に高校生ペアと中学生ペアが1組ずつ残ったのですから、男子ジュニアの台頭も女子に負けていませんね。

 宮本春樹 3 - 2 張本智和 
 5  -  11
 11  -  9
11  -  5 
 8  -  11
 11  -  9

伊藤美誠、まさかの5回戦敗退

 平野美宇と同様に今回シングルスのみに絞って臨んだ伊藤美誠。順調にいけば準決勝で「みうみま対決」が見られるはずだったのですが、大学生の安藤みなみに5回戦で負けてしまいました。本人は試合後に「悔しいというか、もったいない」と言っていたようです。伊藤は第1ゲームを11-3と簡単に取り安心したようで、第2ゲームも順調に4-0と進みましたが戦略を変えた安藤に対してバックハンドにこだわり続けた伊藤美誠はミスが重なりこのゲームを9-11と逆転負けで落とし、最後までこの流れを変えられず敗戦を喫してしまいました。原因は、いくつかあるようです。1つに、安藤みなみが伊藤美誠同様にラケットの表裏で種類の違うラバーを貼る「異質なタイプ」であること。伊藤美誠自身がこの「異質なタイプ」なのですが、そのような相手と試合をすることがあまりなく不慣れだったようです。第2に昨年準決勝で負けた平野美宇や石川佳純の対応策を中心に練習していて、他の選手を警戒していなかったこと。「異質なタイプ」の対策は前日にやったそうです。第3に「優勝したい」という気持ちが先走ってしまったこと。このため、不利になったときに焦ってしまい、いつもは相手の変化に対応できるのに同じ方法で強引に攻め続けてしまいミスが多くなってしまいました。最後のゲームは、6-4から7連続得点で逆転され5回戦敗退が決定しました。

また、昨年末にジュニア選手権とグランドファイナルでの活躍で急に注目を浴び始めた「みうみま」と同い年の早田ひなも5回戦で3-4で敗退しました。滑り出しはフォアハンドのドライブが決まっていたのですが、3ゲームから相手が慣れて来て決まらなくなり、自分は2日前に痛めた左腕が痛くなり、伊藤美誠同様に自ら崩れていってしまいました。また、浜本由惟も5回戦で社会人に1-4で負けてしまいました。高校生で準決勝まで勝ち上がったのは危なげない試合をしていた平野美宇と、準々決勝で社会人の石垣優香とのカットマン対決を4-1で制した橋本帆乃香でした。それでも、ベスト4の内2人は高校生ですから、やはりジュニアが頑張ってます。

 安藤みなみ 4
- 2 伊藤美誠
 3  -  11
 11  -  9
8
-  11
 11  -  7
 14  -  12
 11  -  6

ジュニア女子も波乱

 ジュニア女子は昨年エントリーしていた平野美宇が一般女子シングルス一本に絞ったため出場せず、昨年のジュニア選手権の団体優勝メンバーの早田ひなと加藤美優が優勝候補の筆頭でした。ベスト4までは早田ひなは1ゲームのみ、加藤美優は1ゲームも落とさず勝ち進みましたが、二人とも準決勝で1-3で負けてしまいました。結果、決勝は笹尾明日香(横浜隼人高)と長崎美柚(JOCエリートアカデミー)の対決となり3-1で笹尾明日香が優勝しました。ジュニア女子は参加しなかった平野美宇と伊藤美誠が飛び抜けているとは思いますが、かなり拮抗していますね。

混合ダブルスは吉村真晴/石川佳純ペアが決勝で敗退

 混合ダブルは4日目に決勝が行われました。今大会の混合ダブルスでは一昨年の世界卓球で銀メダルを獲得した吉村真晴/石川佳純ペアが今年の世界卓球の出場権獲得を狙って参戦しました。 吉村真晴/石川佳純ペア は決勝まで1ゲームも落とさずに順調に駒を進めましたが、決勝で昨年優勝の田添健汰/前田美優ペアにオールゲームで敗れてしまい準優勝になってしまいました。でも、世界卓球へは2組出場するため無事出場はできるようです。

 田添健汰
前田美優
3
- 2 吉村真晴
石川佳純
 11  -  3
 14  -  12
8
-  11
 7  -  11
 11  -  6