【卓球】 2017年7月の世界ランキング

 卓球の2017年7月の世界ランキングが発表されています。今回のポイントは、次のとおりです。


  • ワールドツアープラチナのジャパンオープンと中国オープンの結果が算入されていること
  • 平野美宇の新しいランキングとポイント
  • ランキングなしでジャパンオープンで優勝し、中国オープンでも準優勝した中国の孫穎莎(スンインシャ)の順位
では、早速見てみましょう。

*カッコ内は前月順位
 女子 ポイント  男子  ポイント 
 1 丁寧(中国)(1) 3456(-32)  馬 龍(中国)(1) 3427 
 2 朱雨玲(中国)(3) 3264(-46)  樊振東(中国)(2)  3309
 3 劉詩ウェン(中国)(2) 3241(-85)  許昕(中国)(3) 3072 
 4 陳夢(中国)(5) 3231(+114)  オフチャロフ(ドイツ)(5) 2965
 5 平野美宇(日本)(7)  3142(+38) 張継科(中国)(4) 2893 
 6 フェン・ティアンウェイ(シンガポール)(4)  3098(-67) T・ボル(8) 2793 
 7 石川佳純(日本)(6) 3090(-19)  水谷隼(日本)(6)  2790
 8 鄭怡静(7) 3020(-22) 黄鎮廷(香港)(7)  2783
 9  ハン・イン(9) 3011(+15)  丹羽孝季(日本)(9)  2779
 10 孫穎莎(中国)(-) 2999(+662)  方博(中国)(11)  2645

*ポイントのカッコ内は前月からの増減です。前月順位が「-」となっている選手は前月のランキングのない選手です。通常、ランキングポイント対象の試合に4か月以上出場しなかった場合に、ランキングから一時的に除外されます。福原愛が現在そういう扱いです。

 平野美宇は38ポイント増えただけですが2つ順位を上げて5位に入りました。また、ワールドツアー初参戦初優勝の中国の16歳の孫穎莎(スンインシャ)がいきなり10位とベスト10に入ってきました。上位に来るとは思っていましたがトップ10に入ってきたのは意外でした。 孫穎莎 はジュニアの大会には出ていたので持ちポイントは2337ポイントありましたが4か月以上試合に出ていなかったのでランキングがありませんでした、このためジャパンオープンも中国オープンも予選1回戦から出なければならず試合数が増えました。そして、どちらの大会も決勝まで行ったので24試合を戦っています。この24試合で負けたのは中国オープンの決勝だけなので、レーティングポイントを542ポイント稼ぎ、ワールドツアープラチナでの優勝と準優勝でボーナスポイントを120ポイント稼ぎ、合計662ポイントを上乗せし一気に伊藤美誠を抜いて10位に登場しました。

 伊藤美誠は10ポイント増やしましたが1つ順位を下げて11位でした。12位の佐藤ひとみと16位の橋本帆乃香はそのままです。19位だった早田ひなは29位に大きく下げています。これは、昨年の6月に早田ひなはワールドツアーオーストラリアオープン(チャレンジシリーズ)優勝、ジャパンオープンU21ベスト4、韓国オープンではベスト8とU21ベスト4とボーナスポイントを78ポイント取得したのですが、ボーナスポイントは1年間のみ有効のため今回から算入されません。その上、ジャパンオープンで棄権したためにそのペナルティポイント25ポイントも引かれ一気に103ポイントがマイナスになりました。新たに取得したボーナスポイントが42ポイントありましたがそれでも大きなマイナスです。また、森さくらが35位から27位に順位を上げています。中国選手では王曼昱(ワンマンユ)が43位から32位に上がったほか、陳幸同がランキングなしから52位に登場しています。

 男子は、水谷準が1つ順位を下げましたが9位の丹羽孝季から6位のボルまで14ポイントしかなく、丹羽は大幅順位アップのチャンスと思ったのですがオーストラリアオープンの1回戦で格下に負けてしまったので7月は減点になりそうです。ほかの男子は、松平健太が18位から15位に、張本智和が39位から18位に、大島裕哉が26位から19位に、吉田雅己が47位から22位にそれぞれ順位を上げています。

 また、注目なのは男女ともトップ10に中国選手が5名入っていることです。特に女子では中国はトップ選手2名と準トップの一軍若手選手4名の6名体制でワールドツアーに臨んでおり日本同様若手準トップ選手に国際大会での経験を積ませるとともにポイントを稼がせる考えのようです。これが、予想外に当たり自国のトップ選手まで食ってしまったのが 孫穎莎 でした。

 平野美宇の6月の加点は、レーティングポイントが+20、ボーナスポイントが+60ポイントです。ボーナスポイントは1年間のみ有効なため昨年6月に獲得したボーナスポイント42ポイントが差し引きされ+38ポイントになります。レーティングポイントは試合ごとの勝敗により加減算されるポイントで、ランキングにエントリー後引退するまで積算されます。試合ごとのポイントは、レーティングポイントのポイント差を基に計算され、ポイント差がある相手に勝つほど、また大きな大会ほど加算ポイントが増えます。また、負けた場合は格上に負けた場合はマイナスポイントは少ないですが、格下に負けた場合はマイナスポイントが大きくなります。ここで、今月の平野美宇のレーティングポイントの内訳を調べてみましょう。ちなみに、平野美宇の6月のレーティングポイントは2826で、ジャパンオープンも中国オープンも準々決勝で敗れたため戦績は4勝2敗でした。

 対戦相手 平野美宇の
ポイント 
対戦相手の
ポイント 
ポイント差   勝敗 加算ポイント 
 セオ・ヒョウン  2826 2592 -234  〇 6
 チョン・ジヒ 2826  2652 - 174  〇  8
 陳夢  2826  2935  109  X -5
姜華珺 2826  2536  -290  〇 6
 リー・ジエ  2826 2645  -181  〇  8
 丁寧 2826  3163  337  X  -3
 TOTAL  +20

ボーナスポイントは大会での成績で加算されるポイントで優勝でも通常のワールドツアーとワールドツアープラチナでは倍違います。今回はプラチナでしたがベスト8だったため30ポイントずつで60ポイントでした。もうちょっと頑張っておきたかったですね。