【卓球】 2019世界選手権 女子シングルス本戦の組み合わせ考察

 ここでは、「トーナメントの組み合わせ(ドロー)の決め方」で説明した方法で決まる場合の女子シングルスの組み合わせを、日本選手と中国選手の位置関係を中心に見てみたいと思います。

日本選手と中国選手は次のようにベスト32に入っているのでここではベスト32までの枠に絞ってみます(実際には本戦はベスト128から開始します)。

 シード順  選手
1   丁寧(中国)
 2  陳夢(中国)
 3 王曼昱(中国)
 4 劉詩雯(中国)
 5  石川佳純
 6  伊藤美誠
8
 平野美宇
 12  佐藤瞳
 18  加藤美優
 24 孫穎莎(中国)
世界卓球女子シングルスの組み合わせ(ベスト32)
女子シングルスの組み合わせ(ベスト32)*クリックすると大きな図が表示されます

「組み合わせの決め方」での説明に従うと、上の図のように第1シードと第2シードはトーナメント表の最初(Player1)と最後(Player128)のどちらかに入り、第3シードと第4シードは半分の山の第1シードまたは第2シードの反対側の端(Player64と65)に入ります。

今大会は、第1~4シードが中国選手なので4分の1の山(32選手)に必ず中国選手がいます。これは、この中国の4選手が勝ち進んだ場合、準々決勝の4試合のそれぞれに中国選手がいることになり、準決勝に進む、つまりメダルを獲るには必ず中国選手に勝たなければならないことを意味します。

また、これはいつもかというと、そういうことはなく、2017年の大会では第4シードにシンガポールの馮天薇(フォン・ティアンウェイ)がいたため中国選手のいない4分の1の山がありました。


日本選手のうち石川佳純、伊藤美誠、平野美宇は第5~8シードになるため、4分の1の山の中国選手と反対側にそれぞれはいることになり、第1~4シードの中国選手とは準々決勝まで当たりません。また、この日本の3選手および第7シードの台湾の鄭怡静は準決勝まで当たりません。


佐藤瞳は第9~16シードの枠に入るため4回戦で第1~8シードの中国選手や日本選手に当たる可能性があります。


加藤美優は第18シードで第17~32シードの枠に入るので、3回戦で第1~8シードの中国選手や日本選手、または佐藤瞳に当たる可能性があります。


また、中国の孫穎莎(スン・インシャ)も加藤美優と同じ第17~32シードの枠に入るため、3回戦で加藤美優以外の日本選手と当たる可能性があります(加藤美優とは4回戦以降で当たる可能性があります)。孫穎莎は、今年3月に中国国内で行われた世界選手権の選考会にあたる「地表最強12人」で2位に入り選考されているため、シード順こそ低いですがその実力は中国の他の4選手に匹敵すると言っていいと思います。

日本選手がメダルを獲得するには、中国選手を最低1人、孫穎莎が同じ4分の1の山にいる場合は2人倒す必要があります。また、ほかの中国選手にとっても、準々決勝までに当たると準々決勝に進めない可能性があります。その意味で、孫穎莎は準々決勝までの台風の目となると思います。


他に気になる選手はこちらのシード順リストでシード順を確認してどの枠に入りそうか予測してください。決勝トーナメントの全128枠の配置についてはこちらで確認してください。