国際卓球連盟(ITTF)のホームページで2018年12月の世界ランキングが発表されました。ランキング順とランキングポイントを説明します。
12月のランキングポイントは原則2017年12月から2018年11月に行われた大会が対象になります。11月に行われた大会では以下の大会がシニアのポイントの対象となります。
*カッコ内は前月順位 | 女子 | ポイント | 男子 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 朱雨玲(中国)(1) | 16224(-1245) | 樊振東(中国)(1) | 17751(±0) |
2 | 丁寧(中国)(2) | 15939(-45) | 許昕(中国)(2) | 15835(+225) |
3 | 石川佳純(日本)(3) | 15248(-15) | ティモ・ボル(ドイツ)(3) | 14575(-450) |
4 | 陳夢(中国)(4) | 15194(+180) | 林高遠(中国)(5) | 14341(-210) |
5 | 王曼昱(中国)(5) | 14880(+450) | 張本智和(日本)(6) | 13860(+135) |
6 | 劉詩雯(中国)(6) | 14589(+675) | ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)(9) | 13190(+675) |
7 | 伊藤美誠(日本)(7) | 14135(+225) | 李尚洙(韓国)(7) | 13179(-450) |
8 | 鄭怡静(台湾)(8) | 13546(+315) | 黃鎮廷(香港)(9) | 12924(-291) |
9 | 平野美宇(日本)(9) | 13065(+52) | オフチャロフ(ドイツ)(5) | 12748(-990) |
10 | 馮天薇(シンガポール)(11) | 12835(+270) | 丹羽孝希(日本)(10) |
12466(+315) |
11 | 徐孝元(韓国)(12) | 12095(-114) | 馬龍(中国) (6) |
11930(+20) |
12 | 陳幸同(中国)(10) | 11940(-654) | マティアス・ファルク (19) |
11713(+360) |
(注)ポイントのカッコ内は前月からの増減です。
まず注目するのは張本智和が自己最高の5位になったことです。張本自身のポイントは今回のオーストリアオープン準々決勝敗退のポイント(1575ポイント)が現在の最低ポイント1440ポイントと入れ替わっただけなので、増加はわずか135ポイントでしたが5位にいたオフチャロフが1000ポイント近く減らして順位が大きく下げたために順位が上がりました。
オフチャロフは昨年11月のドイツオープンで優勝した2250ポイントが失効しましたが、この11月はスウェーデンオープンが準々決勝敗退(1260)とオーストリアオープン1回戦敗退(563)だったので、1260ポイントが替わりに算入され結果として990ポイントを減らしました。
また、オーストリアオープンで準々決勝まで進んだウーゴ・カルデラノがポイントを大きく伸ばしました。水谷隼は、スウェーデンオープンとオーストリアオープンのどちらも2回戦敗退でしたがどちらのポイントもランキングポイントに算入され11月の19位から13位に戻しています。
女子では、1位~9位までは順位に変動がありませんが、昨年のスウェーデンオープンで優勝した陳幸同が大きくポイントを減らし、変わって馮天薇がトップ10に返り咲きました。また、11月に13位に上がった佐藤瞳は、定位置の14位に戻ってしまいました。
そのほかの主な日本選手の順位は、女子は芝田沙紀17位(17位)、加藤美優22位(20位)、橋本帆乃香26位(29位)、
早田ひな34位(30位)、
長﨑美柚37位(37位)、安藤みなみ39位(41位)となっています。
男子は、吉村真晴28位(28位)、
上田仁32位(36位)、
大島祐哉33位(29位)、
松平健太が41位(30位)
、
森薗政崇48位(39位)
になっています
。
今月のようにほとんどの場合、ワールドツアー/プラチナは同じ大会が同じ月に行われることが多いので、前年の大会のポイントがランキングポイントに算入されている場合、前年より結果が悪いとランキングポイントが減ってしまいランキングが落ちることもあります。
2018年のランキングシステムでは、優勝と準優勝、準決勝敗退と準々決勝敗退のように結果のラウンドが1つ違うと優勝ポイントの10%が違っていました。つまり、準決勝敗退と準々決勝敗退の場合でワールドツアープラチナで225ポイント、ワールドツアーで180ポイントの差がありました。
2019年のランキングシステム変更の大きなポイントとして、この大会での最終ラウンドによる獲得ポイントが見直され、優勝と準優勝が優勝ポイントの20%差、準優勝と準決勝敗退、準決勝敗退と準々決勝敗退がそれぞれ優勝ポイントの15%差に見直されます。
つまり、以下のようになります(詳細な変更点はこちらをご覧ください)。
比率 | 2018 | 結果 | 2019 | 比率 |
---|---|---|---|---|
100% | 1800 | 優勝 | 1800 | 100% |
90% | 1620 | 準優勝 | 1440 | 80% |
80% | 1440 | 準決勝敗退 | 1170 | 65% |
70% | 1260 | 準々決勝敗退 | 900 | 50% |
60% | 1080 | 2回戦(R16)敗退 | 720 | 40% |
50% | 900 | 1回戦(R32)敗退 | 540 | 30% |
このため、準々決勝敗退以上では前年よりラウンド1つ上で終わるかどうかでのポイントの増減が現在のランキングシステム以上に大きくなります。
まだ2018年の獲得ポイントも再計算されるのか不明ですので2018年の獲得ポイントと2019年の獲得ポイントの関係はわかりませんが、最後に2018年のワールドツアーの優勝者、準優勝者、準決勝敗退者をまとめておきます。
ワールドツアー プラチナ |
優勝 | 準優勝 | 準決勝敗退 | 準決勝敗退 |
---|---|---|---|---|
カタールOP | 劉詩雯(中国) | 王曼昱(中国) | 石川佳純 | 陳夢(中国) |
ドイツOP | 石川佳純 | 徐孝元(韓国) | 馮天薇(SGP) | 鄭怡静(台湾) |
中国OP | 王曼昱(中国) | 丁寧(中国) | 伊藤美誠 | 芝田沙季 |
韓国OP | 朱雨玲(中国) | 陳夢(中国) | 石川佳純 | 劉詩雯(中国) |
オーストラリア | 劉詩雯(中国) | 丁寧(中国) |
石川佳純 | 何卓佳(中国) |
オーストリアOP | 陳夢(中国) | 王曼昱(中国) | 朱雨玲(中国) | 何卓佳(中国) |
ワールドツアー | ||||
ハンガリーOP | 王曼昱(中国) | 孫穎莎(中国) | 陳幸同(中国) | 陳思羽(台湾) |
香港OP | 王曼昱(中国) | 陳幸同(中国) |
伊藤美誠 | 何卓佳(中国) |
ジャパンOP | 伊藤美誠 | 王曼昱(中国) | 劉詩雯(中国) | 陳幸同(中国) |
ブルガリアOP | 丁寧(中国) | 王芸迪(中国) | 佐藤瞳 | 劉高陽(中国) |
チェコOP | 石川佳純 | 文佳(中国) | 芝田沙季 | 武楊(中国) |
スウェーデンOP | 伊藤美誠 | 朱雨玲(中国) | 丁寧(中国) | 陳夢(中国) |
(メモ)SGP=シンガポール
ワールドツアー プラチナ |
優勝 | 準優勝 | 準決勝敗退 | 準決勝敗退 |
---|---|---|---|---|
カタールOP | 樊振東(中国) | カルデラノ(BRA) | 許昕(中国) | 林高遠(中国) |
ドイツOP | 馬龍(中国) | 許昕(中国) | 黃鎮廷(香港) | フランツィスカ(ドイツ) |
中国OP | 馬龍(中国) | 樊振東(中国) | 林高遠(中国) | 林鐘勲(韓国) |
韓国OP | 張禹珍(韓国) | 梁靖崑(中国) | 水谷隼 | 林高遠(中国) |
オーストラリア | 許昕(中国) | 劉丁碩(中国) |
大島祐哉 | 張本智和 |
オーストリアOP | 梁靖崑(中国) | 許昕(中国) | 樊振東(中国) | ピッチフォード(英国) |
ワールドツアー | ||||
ハンガリーOP | 樊振東(中国) | 王楚欽(中国) | 劉丁碩(中国) | カルデラノ(BRA) |
香港OP | 吉村和弘 | 趙勝敏(韓国) |
周啓豪(中国) | 林鐘勲(韓国) |
ジャパンOP | 張本智和 | 張継科(中国) | ボル(ドイツ) | 李尚洙(韓国) |
ブルガリアOP | 許昕(中国) | 松平健太 | 張本智和 | 馬特(中国) |
チェコOP | 鄭培鋒(中国) | フレイタス(POR) | 張本智和 | ピッチフォード(英国) |
スウェーデンOP | 樊振東(中国) | 許昕(中国) | 周啓豪(中国) | M.ファルク(SWE) |
(メモ)BRA=ブラジル、POR=ポルトガル、SWE=スウェーデン