3日目:伊藤美誠、丹羽孝季、吉田雅己は準々決勝敗退

1. 女子シングルス

  卓球のカタール・オープンで女子シングルス で日本人で唯一人準々決勝に進んだ伊藤美誠は1回戦で石川佳純を破った中国若手ナンバー1で18歳の王曼昱と対戦した。第1ゲームを3-11で失ったあと、第2ゲームでは9-9まで一進一退で進んだが9-11と押し切られた。第3ゲームを5-11で取られたあと戦術を変え11-8と一矢を報いたが、第5ゲームは6-11で取られ1-4で負けてしまった。伊藤美誠は前線で戦い速いラリーをしかけたが、中国国内で速いラリーに慣れている 王曼昱 には通じず、ラリーの速度を落として強い球を打ち込まれた。

 ちなみに、平野美宇を倒した中国若手ナンバー2の顧玉婷は準々決勝で世界ランキング4位の馮天薇と戦い4-0のストレートで勝った。これで、顧玉婷は世界ランキングのトップ10選手を2人ずつ倒したことになる。その王曼昱と 顧玉婷 が準決勝で対戦した。この2人は今年1月に行われた中国の1軍若手14人の総当たり戦で1位(12勝1敗)と2位(11勝2敗)になっている。二人が戦ってみると柔の 王曼昱 、剛の 顧玉婷 という感じでそれぞれの特徴がよくわかる。対戦は接戦となったが 王曼昱 がやはり上手という感じで 4-1(11-6、20-18、11-6、7-11、11-6)で勝ち決勝に進んだ。もう1つの準決勝は, 中国の陳夢と昨年のグランドファイナル優勝の中国のを倒したドイツ 単暁娜だったが、陳夢がストレート(11-4、12-10、11-5、11-3)で勝った。

 それにしても、準決勝に進んだのは中国の陳夢、 王曼昱、顧玉婷 とドイツの 単暁娜 だ。 単暁娜 は中国からの帰化選手なので実質ベスト4に残ったのは中国選手だけである。 王曼昱は18歳、陳夢が23歳、顧玉婷22歳、今回2回戦敗退とはいえ昨年のグランドファイナル優勝の朱雨玲が22歳と東京オリンピック候補になることは間違いない。まだまだ中国の壁は厚そうだ。


女子シングルス準々決勝 伊藤美誠 vs 王曼昱  (ビデオ)

女子シングルス準決勝 王曼昱 vs 顧玉婷 (ビデオ)

2. 男子シングルス

 男子シングルスでは丹羽孝季、吉田雅己が準々決勝を戦った。先に行われた吉田雅己と世界ランキング2位の中国の樊振東との試合は、吉田雅己は善戦したもののストレート(7-11、7-11、4-11、3-11)と実力差を見せつけられた試合だった。丹羽孝季は世界ランキング9位の台湾の荘智淵との対戦だった。第1ゲームを11-9で取り、第2ゲームは取られたものの14-16ともつれた試合で、第3ゲームを11-6で取った時点ではこれは勝つんじゃないかと思わせた。しかし、第4ゲームをデュースから10-12で取られて流れを持っていかれたようで、その後8-11、4-11と連取されゲームカウント2-4で負けてしまった。格上の相手だったとはいえ非常に惜しい試合を落としたと思う。

 ベスト4に残ったのは中国選手3人、台湾選手1人と男子も実質中国選手と中国系選手だけが残った。とはいえ、残ったのはランキング1位の馬龍、2位の樊振東、9位の荘智淵、11位の方博なので女子に比べればランキング上位が占めたことになる。順当なところだ。準決勝は、馬龍が台湾の荘智淵にストレート( 11-8、11-8、11-6、11-4 )で、樊振東が4-3( 9-11、11-3、12-10、5-11、11-6、13-15、11-8)で方博に勝ち、決勝は世界ランキング1位と2位の対戦となった。

3.最終日の見どころ

 最終日は男女ダブルスの決勝、男女シングルスの決勝がある。

 まず一番の注目は男子ダブルスの決勝だ。日本の森薗政宗/大島祐哉ペアがスウェーデンのクリスティアン・カールソン/マティアス・カールソン組と対戦する。このスウェーデンのペアは、中国ペアを破ったフランスペアを破っているのでかなり手ごわそうだ。

 もう1つの注目は女子シングルスの 中国の陳夢と 王曼昱の決勝だ。 陳夢と 王曼昱は女子シングルス決勝の前に行われる 女子ダブルスでは、ペアとして韓国の田志希/梁夏銀ペアと対戦する。 つまり、陳夢と 王曼昱はダブルスではペアだがシングルス決勝では対戦相手となり興味深い。 お互いに1戦を戦った後での決勝 なので体力的な有利/不利はない。国際大会での対戦成績はないが、陳夢は1月の中国1軍若手のリーグ戦に参加しており 王曼昱と顧玉婷に負けている。 王曼昱が勝てばランキングなしで予選からの勝ち上がりで優勝となるが十分にあり得る話だ。 王曼昱 顧玉婷 が別の山だったらランキングなしで予選からの勝ち上がり同士の決勝となっていたかもしれなかった。やはり、中国おそるべしだ。

 男子シングルス決勝は世界ランキング1位同士の戦い。対戦成績は馬龍の9勝1敗だ。この1敗は昨年のワールドカップのもので、その後のグランドファイナルでは4-2で勝っているが最近のこの2人の対戦は見ごたえがある。


(最終日スケジュール)

  • 女子ダブルス決勝: 陳夢/ 王曼昱(中国) vs 田志希/梁夏銀 (韓国) 2/26 14:00(Table1)
  • 男子ダブルス決勝: 森薗政宗/大島祐哉 (日本) vs スウェーデン組 2/26 14:30(T1)
  • 女子シングルス決勝: 陳夢(中国) vs 王曼昱 (中国)          2/26 15:00(T1)
  • 男子シングルス決勝:馬龍(中国) vs 樊振東 (中国)                2/26 15:45(T1)

中継はITTFのインターネットライブ放送(ITTV)で視ることができます。
(日本との時差は6時間(14:00は20:00)です)