2016年の平野美宇の中国スーパーリーグへの挑戦についてまとめておきたいと思います。
平野美宇が参加したのは2016年の後期リーグ戦です。後期リーグは10月から12月までで、9チームが2回総当たりするので全部で18節あります。平野美宇は12月は世界ジュニア選手権とグランドファイナルに参加するので11月までの契約で 第1節から第10節まで参加しました。戦績は1シングルスは10戦で3勝7敗、ダブルスは1戦1敗(第1節) でした。
節 | 日付 | 対戦チーム | 対戦相手 | ゲームカウント | ポイント | 勝敗 |
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第1節 | 10月16日 | 八一 | 木子 | 2-3 | 9, -17, -9, 7, 5-7 | X |
第2節 | 10月19日 | 山西大土河 | 車暁曦 | 3-1 | -10, 8, 7, 8 | 〇 |
第3節 | 10月 23日 | 深圳大学 | 陳夢 | 0-3 | -10, -3, -3 | X |
第4節 | 10月26日 | 山東斉魯交通 | 出番なし | ー | ||
第5節 | 10月30日 | 北京首鋼 | 丁寧 | 0-3 | -1, -7, -13 | X |
第6節 | 11月2日 | 山東魯能 | 朱雨玲 | 2-3 | 9,-2,10,-9,5-7 | X |
第7節 | 11月6日 | 武漢安心百分百 | 劉詩ウェン | 0-3 | -9, -5, -7 | X |
第7節 | 11月6日 | 武漢安心百分百 | 馮亜蘭 | 3-0 | 10, 9, 7 | 〇 |
第8節 | 11月9日 | 四川穹窿先鋒 | 郭艶 | 3-0 | 8, 8, 8 | 〇 |
第9節 | 11月13日 | 吉林長白山農商銀行 | 王曼昱 | 0-3 | -8, -8, -9 | X |
第10節 | 11月16日 | 八一 | 胡麗梅 | 1-3 | -10, -5, 5, -1 | X |
シングルスの対戦成績は、10戦(第4節は出場していませんが第7節に2戦しています)で3勝7敗でした。参加女子選手52人中では31番目の成績でした(74.7 ポイント 。3勝8敗となっているのでダブルスもカウントされているようです)。同じチームのフェン・ティアンウェイも同じ3勝8敗ですが平野美宇のポイントがわずかに上回っています。所属チームの鄂尓多斯1980は通算成績が5勝8敗で10チーム中8位でした。
実は、もともとフェン・ティアンウェイ(シンガポール)は 鄂尓多斯1980に 所属していました。平野美宇が 鄂尓多斯1980と契約したのはワールドカップ前と思われるので、その時点ではどのぐらい試合に出場できるかわからなかったと思います。というのは、1試合に出場できる外国人は1人だけで、フェン・ティアンウェイは世界ランキング10位以内の選手だからです。しかし、中国スーパーリーグ参加直前のワールドカップ優勝で急に注目が集まり状況が変わったのだと思います。そのうえ、ワールドカップの準決勝で当のフェン・ティアンウェイを破っているので平野美宇を使う理由が整ったわけです。そして、第1戦で相手チーム主力の木子にあわや勝利するかという接戦をし、次の試合で勝利して結果を出したことで、平野美宇はチームの主力として相手チームの主力選手と最後まで戦わせてもらえることになりました。これによって、約1か月の中国スーパーリーグ参加でしたが非常に中身の濃いものになったと思います。
個別にみれば、オールゲームまで持ち込んだ木子戦と朱雨玲戦は、2選手とも中国トップの選手で調子も悪くなかったので勝てなかったとはいえいい戦いをしたと思います。丁寧戦もだんだん相手と合ってきて最後は接戦だったので4ゲーム先取だったらチャンスがあったかもしれません。
最後に、平野美宇は中国スーパーリーグの挑戦を終えた後で一番印象に残っている対戦は第9節の王曼昱(ワンマンユ)との対戦だと言っています。1番年齢の近い1歳違いの選手なので、ストレートで敗れたことがくやしかったのでしょう。また、 約1か月中国で戦って 「以前は中国選手というだけで「うわ~」と思っていたけど中国選手も緊張するんだとわかって、中国選手に対するコンプレックスがなくなった」とも述べています。
(参考資料)