国際卓球連盟(ITTF)のホームページで2018年1月の世界ランキングが発表されました。
今回のポイントは、今月から新ポイントシステムが適用され、それによってランキングが決定されることです。新ポイントシステムの詳細はこちらのページで説明していますが、簡単には以下のようになります。
では、この新ポイントシステムでの1月の世界ランキングを以下に示します。
*カッコ内は前月順位 |
女子 | ポイント |
男子 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 陳夢(中国)(2) | 16845 | オフチャロフ(ドイツ)(3) | 16545 |
2 | 朱雨玲(中国)(1) | 16185 | 樊振東(中国)(2) | 15870 |
3 | フォン・ティアンウェイ(シンガポール)(11) | 14195 | T. ボル(ドイツ)(5) | 15165 |
4 | 石川佳純 (日本)(5) | 13830 | 林高遠(中国)(7) | 14244 |
5 | 伊藤美誠(日本)(9) | 13230 | 許昕(中国)(4) | 13810 |
6 | 平野美宇(日本)(6) | 12796 | 丹羽孝季(日本)(8) | 13155 |
7 | 鄭怡静(台湾)(12) | 12375 | 馬龍(中国)(1) | 13040 |
8 | 王曼昱(中国)(8) | 11688 | 7位. 黃鎮廷(香港)(13) | 13040 |
9 | 杜凱栞(香港)(19) | 11589 | S. ゴジ(フランス)(11) | 12758 |
10 | 陳幸同(中国)(10) | 11472 | 松平健太(日本)(15) | 11835 |
11 | 早田ひな(日本)(14) | 10935 |
張本智和(日本)(17) |
11760 |
まず注目するのは女子では丁寧と劉詩ウェンがトップ10からいなくなったこと、そして男子でずっと1位だった馬龍が1位から落ちたことです。
昨年までのポイントシステムでは、レーティングポイントという選手になってから積み重ねたポイントが基礎点としてあったので過去に実績のある選手は年間にそれほど試合に出場していなくても大きなポイントの高い大会にさえ出場していれば順位を維持できました。
これに対し新ポイントシステムでは過去1年間の大会の成績しかランキングを決めるポイントにならないので、過去1年間にあまり試合に出場していれば成績が良くてもランキングの上位には入れません。
今回、丁寧は9630ポイントで21位、劉詩ウェンは9365ポイントで24位でした。また、先月7位だった孫穎莎も6075ポイントで52位、9位だった張継科も6916ポイントで54位に落ちています。これらの選手はシニアの国際大会の出場が少なかったため、昨年後半のように中国が積極的に選手をワールドツアーなどの国際大会に出場させればポイントは大きく増えてくると思います。
日本選手は、もともと積極的に国際大会に出場していたので全体的にはランキングを上げています。また、ランキング表のように早田ひなと張本智和が11位でトップ10直前に迫っています。そのほか、女子では加藤美優が18位から13位、森さくらが32位から17位に上げています。男子では、大島裕哉が25位から19位に上げています。ただし、水谷隼は昨年は世界選手権やアジアカップが振るわなかったほか、T2やヨーロッパリーグなどを優先したのでグランドファイナルに出場できず高いポイントが少なく13位でした。
今月から新ポイントシステムが採用されたので、試しに平野美宇の1月の12796ポイントを計算してみます。
まず、対象期間、つまり2017年1月から12月までのポイントの一覧を見てみます。
年月 | 大会 | 大会ランク | 最終結果 | ポイント | 加算 |
---|---|---|---|---|---|
2017/2月 | カタールOP | WTプラチナ | 1回戦敗退 | 563(50%) | |
2017/4月 | アジア選手権 | 大陸/団体戦 | 360 | ||
2017/4月 | アジア選手権 | 大陸カップ戦 | 優勝 | 1800 | 〇 |
2017/4月 | 韓国オープン | Wツアー | 準決勝敗退 | 1440 | 〇 |
2017/6月 | 世界選手権 | 世界選手権 | 準決勝敗退 | 2400 | 〇 |
2017/6月 | ジャパンOP |
WTプラチナ | 準々決勝敗退 | 1575 | 〇 |
2017/6月 | 中国オープン | WTプラチナ | 準々決勝敗退 | 1575 | 〇 |
2017/7月 | 豪州オープン | WTプラチナ | 1回戦敗退 | 563(50%) | |
2017/9月 | アジアカップ | 大陸カップ戦 | 4位 | 1350 | |
2017/9月 | オーストリアOP | WTプラチナ | 1回戦敗退 | 563(50%) | |
2017/10月 | ワールドカップ | ワールドカップ | 4位 | 1913 | 〇 |
2017/11月 | ドイツOP | WTプラチナ | 1回戦敗退 | 563(50%) | 〇 |
2017/11月 | スウェーデンOP | Wツアー | 1回戦敗退 | 450(50%) | |
2017/12月 | グランドファイナル | Gファイナル | 1回戦敗退 | 1530 | 〇 |
(注)「OP」は「オープン」、「Wツアー」はワールドツアー、「WTプラチナ」はワールドツアープラチナの略です。ワールドツアーとワールドツアープラチナのポイント一覧はこちらのページをご覧ください。
1月のランキングのポイント計算の対象になるのは〇を付けた8個のポイントです。合計して12796ポイントになりましたか?
ここで注意して表を見てください。まず気になるのは「563」ポイントや「450」ポイントです。これは、シードで初戦の1回戦で負けてしまった場合には通常の1回戦のポイント(ワールドツアープラチナで1125、ワールドツアーで900)が半分になるという規定があるためです。また、アジアカップの1350ポイントが計算の対象にならずそれより低いドイツオープンの563ポイントが計算の対象になっている点も気になるかもしれません。これは、ランキングポイントの計算の対象には大陸(コンチネンタル)の選手権/カップ戦のポイントは1個しか含めることができないという規定があるためです。
おもろかったら「ええやん」してや。Tweetでもええで。