3月末のカタールオープン以来約2か月ぶりのワールドツアーである中国オープンが中国の深圳で5月30日から始まります。また、本戦に先立ち予選が28日と29日で行われます。
今回の中国オープンは年6回あるワールドツアープラチナとしては第2戦、ワールドツアープラチナを含めたワールドツアー(計年12回)としても第3戦となりますが、この中国オープンから、香港オープン、ジャパンオープン、韓国オープン、オーストラリアオープンと7月上旬までの約1か月半にアジア地区を中心にワールドツアー/プラチナ大会が5大会続きます(詳細なスケジュールはこちらの表を参照)。
中国オープン、ジャパンオープン、オーストラリアオープンがワールドツアープラチナ、香港オープンと韓国オープンがワールドツアーとなりますが、年に12回あるうちの5回がこの1か月半に集中しますが、この5大会の結果はオリンピック代表選考に使用される2020年1月の世界ランキングに大きく影響するので代表を狙う選手には重要です。
また、7月中旬に開催されるT2ダイヤモンド大会に出場できるかどうかは、1月のハンガリーオープン、3月のカタールオープン、そしてこの中国オープンの3大会の結果で決まるため、ボーダーラインの平野美宇と加藤美優や、現時点で圏外の石川佳純や早田ひなにとってはその意味でも重要です(詳細はこちら)。
今回の中国オープンには日本は女子18名、男子17名の総勢35名と多くの選手が出場しています。一方、地元中国もトップ選手を中心に女子12名、男子10名と多くの選手が出場します。
大会の概要、大会日程、出場選手、見どころ、ライブ配信の視聴方法についてまとめました。
2019中国オープンオープンは年間に6大会あるワールドツアープラチナの2番目の大会です。
(1) 競技種目
行われる競技は以下の6種目です。
(2) 試合方式
(3) 獲得できる世界ランキング用のポイントはこちらを参照
(4) 賞金総額:400,000米ドル(約4400万円)
優勝賞金:44,000米ドル(約480万円)
日付 | 女子シングルス | 男子シングルス | 女子ダブルス | 男子ダブルス | 混合ダブルス |
---|---|---|---|---|---|
5/28(火) | 予選トーナメント (1回戦(R128)) | 予選トーナメント(1回戦(R256)、2回戦(R128)) |
予選トーナメント(1回戦(R32)) | ||
5/29(水) | 予選トーナメント (2回戦(R64)、3回戦(R32)) |
予選トーナメント(3回戦(R64)、4回戦(R32)) | 予選(R16) | 予選(R16) | 予選トーナメント(2回戦(R16)) |
5/30(木) | 決勝トーナメント 1回戦(R32) |
決勝トーナメント 1回戦(R32) |
決勝トーナメント 1回戦(R16) |
決勝トーナメント 1回戦(R16) |
決勝トーナメント 1回戦(R16) |
5/31(金) | 2回戦(R16) |
2回戦(R16) | 準々決勝 準決勝 |
準々決勝 準決勝 |
準々決勝 準決勝 |
6/1(土) | 準々決勝 |
準々決勝 |
決勝 | 決勝 | 決勝 |
6/2(日) | 準決勝 決勝 |
準決勝 決勝 |
(メモ)予選の詳細なスケジュールはこちらを、本戦(決勝トーナメント)の詳細なスケジュールはこちらをご覧ください。
今大会に出場する日本選手は、次のとおりです(太字はシングルスのシード選手です)。
・女子
平野美宇、石川佳純、伊藤美誠、佐藤瞳、芝田沙季、加藤美優、橋本帆乃香、長﨑美柚、安藤みなみ、早田ひな、大藤沙月、塩見真希、木原美悠、森さくら、松平志穂、中森帆南、徳永美子、赤江夏星
・男子
張本智和、丹羽孝希、水谷隼、吉村真晴、上田仁、大島祐哉、森薗政崇、松平健太、吉村和弘、及川瑞基、宇田幸矢、𠮷田雅己、平野友樹、木造勇人、金光宏暢、神巧也、町飛鳥
シングルスには全選手が出場します。女子ダブルスは、長﨑美柚/木原美悠、大藤沙月/中森帆南、男子ダブルスは森薗政崇/上田仁、混合ダブルスには石川佳純/張本智和、伊藤美誠/丹羽孝希の各ペアが出場します。森薗/上田ペアと石川/張本ペアがシードです。
中国選手は、ハンガリーオープンにはトップ選手から若手まで27選手(女子15名、男子12名)が出場しましたが、今大会ではアジアカップに出場予定の4選手のうち女子では朱雨玲と陳夢、男子では樊振東が出場しておらず、アジアカップの練習に充てて欠場したようです。
以下に出場する選手を挙げます(太字はシングルスのシード選手です)。
女子:丁寧、劉詩雯、陳夢、朱雨玲、王曼昱、陳幸同、孫穎莎、王芸迪、何卓佳、顧玉婷、孫銘陽、銭天一
男子:樊振東、許昕、林高遠、
馬龍、梁靖崑
、
王楚欽、于子洋、周啓豪(Zhou Qihao)、方博、趙子豪(Zhao Zihao)
ダブルスは、女子は朱雨玲/王曼昱、劉詩雯/顧玉婷、孫銘陽/銭天一、男子は林高遠/梁靖崑、馬龍/王楚欽、混合ダブルスは陳夢/許昕、丁寧/樊振東の各ペアが出場します。 朱雨玲/王曼昱 ペア、 林高遠/梁靖崑 ペア、 陳夢/許昕 ペアがシードです。
[2019/5/29追記]
方博/
于子洋
ペアは待機リストから外れず出場できませんでした
女子シングルスはなぜか韓国勢が出場していないのですが、韓国勢以外は世界ランキング20位までは全選手が出場していて、台湾の鄭怡静(チェンイーチン)と陳思羽(チェンズーユ)、シンガポールの馮天薇(フォンティエンウェイ)、香港の杜凱栞(ドゥホイケン)、ルーマニアのスッチなどが出場しています。
男子シングルスは、韓国勢も出場していて、李尚洙、張禹珍、林鐘勲、鄭栄植の名前があります。また、ドイツのボルトオフチャロフ、香港の黃鎮廷(ウォンチュンティン)、ブラジルのカルデラノ、イングランドピッチフォード、スウェーデンのファルクなどがシードに名前を連ねています。台湾の選手はシードに入ってませんが、荘智淵(チュアンチーユアン)、陳建安(チェンチエンアン)、林昀儒(リンユンジュ)などが出場しています。
シングルスは、中国は女子6名、男子5名とシードに日本より多くの選手がいますが、予選から開始する中国選手もいつも確実に予選を通過して決勝トーナメントに上がってくるため、シード選手が1回戦で対戦することもあり、予選を通過した場合に決勝トーナメントのどの枠に入ってくるかが注目です。
特に怖いのは女子シングルスでぎりぎりシードに入らなかった孫穎莎と何卓佳です。孫穎莎は4月の世界選手権で伊藤美誠を破っており、何卓佳は昨年末のグランドファイナルで準優勝と2人とも実力は他のトップ選手と変わりません。そのため、加藤美優や早田ひななど予選通過を目指す選手は当たりたくない選手ですし、シード選手も1回戦では当たりたくない選手です。そのため、予選でどの山に入って来るか、また予選を通過した場合にどのシード選手と対戦することになるのかが注目です。
もう1つの注目は、今回デビュー戦となる2組の混合ダブルスのペアでしょう。石川佳純と張本智和のペアは世界選手権で実現しなかったペアの再結成です。そして、もう1ペアは伊藤美誠と丹羽孝希のペアです。どちらも現在TOP10にいる選手同士の東京五輪を見据えたペアリングでしょう。
以下のサイトでライブ配信がある可能性があります(今回配信対象の卓球台(Table)はTable 1(T1)~Table 4(T4) と思われます)。中国の深圳は日本と1時間時差があり、日本が1時間早いです。つまり、現地の10時は日本の11時になりますので注意が必要です。