国際卓球連盟(ITTF)のホームページで2019年4月の世界ランキングが発表されました。ランキング順とランキングポイントをまとめます。
2019年4月のランキングポイントは原則2018年4月から2019年3月に行われた大会が対象になります。2019年3月に行われた大会では以下の大会がシニアのポイントの対象になります。
*カッコ内は前月順位 | 女子 | ポイント | 男子 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 丁寧(中国)(1) | 16515(±0) | 樊振東(中国)(1) | 16536(-465) |
2 | 朱雨玲(中国)(2) | 16059(±0) | 許昕(中国)(2) | 15095(-740) |
3 | 陳夢(中国)(3) | 15194(-505) | 林高遠(中国)(3) | 15031(±0) |
4 | 王曼昱(中国)(6) | 14705(+225) | 張本智和(日本)(4) | 14490(-135) |
5 | 劉詩雯(中国)(5) | 14550(-436) | ティモ・ボル(ドイツ)(5) | 13840(-225) |
6 | 石川佳純(日本)(3) | 14523(-725) | 李尚洙(韓国)(7) | 13359(±0) |
7 | 伊藤美誠(日本)(7) | 13880(±0) | ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)(6) | 12665(-1125) |
8 | 鄭怡静(台湾)(8) | 13111(-690) | 丹羽孝希(日本)(9) | 12196(-270) |
9 | 平野美宇(日本)(9) | 12698(-367) | 梁靖崑(中国)(13) | 12089(+180) |
10 | 馮天薇(シンガポール)(10) | 11635(-945) | 張禹珍(韓国)(11) |
11939(±0) |
11 | 徐孝元(韓国)(11) | 11600 (-775) | 馬龍(中国) (12) |
11930(±0) |
12 | 杜凱栞(日本)(13) | 11151(±0) | オフチャロフ(ドイツ)(14) |
11713(±0) |
13 | 佐藤瞳(日本)(12) | 10500(-1128) | 水谷隼(日本)(10) | 11670(-495) |
2019年になっても先月まではトップ10のランキングポイントも順位もほとんど変動がありませんでしたが、4月の世界ランキングではランキングポイントが大きく変動し、それに伴い順位の変動がありました。
変動と言っても上の表を見て頂ければわかるように、ほとんどの選手が大幅にランキングポイントが減少しています。これには以下の理由があります。
3月ランキングポイント | 昨年カタールオープン | 昨年ドイツオープン | 代替え ポイント1 |
代替え ポイント2 |
4月ランキングポイント | |
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石川佳純 | 15248 | 1800(SF) | 2250(優勝) | 1750( 2018世界選手権) | 1575(2018中国OP) | 14523 |
平野美宇 | 13065 | 1575(QF) | 1350(QF) | 1298(2018アジアカップ) | 1260(2018チェコOP) | 12698 |
王曼昱 | 14480 | 2025(準優勝) | ー | 2250(2019カタールOP) | ー | 14705 |
(メモ)昨年の各大会での獲得ポイントの一覧は「2019年2月の世界ランキング」のトピックをご覧ください。
ついでに、王曼昱のポイントを参考に挙げておきます。王曼昱は失効になる昨年3月のポイントはカタールオープンのポイントだけ(ドイツオープンは不出場)なので、代替えポイントが1個必要になりますが先週のカタールオープンでの優勝ポイント(2250)が一番高いポイントなのでそれを算入することになります。
そのほかの主な日本選手の順位は、女子は、芝田沙季14位(14位)、加藤美優22位(20位)、橋本帆乃香26位(25位)、安藤みなみ33位(36位)、早田ひな34位(37位)、長﨑美柚39位(35位)となっています。
男子は、大島祐哉25位(31位)、上田仁27位(29位)、吉村真晴33位(26位)、松平健太44位(55位)、森薗政崇45位(45位)、吉村和弘50位(59位)となっています。
ワールドツアーランキングはご存じでしょうか。これは、ワールドツアースタンディングとも言いますが日本人にはワールドツアーランキングと言った方がわかりやすいと思います。
ワールドツアーランキングは通常の世界ランキングとは異なり、順位を決めるポイントも通常のポイントではなく、ワールドツアーとワールドツアープラチナだけで獲得できるワールドツアーポイントで決まります(詳細な説明とポイント表はこちら)。
このワールドツアーポイントは、世界ランキングのように過去1年のポイントが対象ではなく、1年ごとにその年で獲得した全ポイントを累計します。
今年に入って終了した大会は、1月のハンガリーオープンと先月のカタールオープンだけなので現在のワールドツアーランキングはこの2大会で獲得したワールドツアーポイントで構成されます。
日本選手の場合は、ハンガリーオープンに出場していないためカタールオープンで獲得したワールドツアーポイントのみになります。
以下に、16位までの現在のワールドツアーランキングを示します。
順位 | 選手名(女子) | ポイント計 | 大会数 | 選手名(男子) | ポイント計 | 大会数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 王曼昱(中国) | 563 | 2 | 林高遠(中国) | 550 | 2 |
2 | 劉詩雯(中国) | 563 | 2 | 馬龍(中国) | 500 | 1 |
3 | 陳夢(中国) | 250 | 1 | 許昕(中国) | 263 | 2 |
4 | 孫穎莎(中国) | 231 | 2 | ファルク (スウェーデン) | 208 | 2 |
5 | 丁寧(中国) | 200 | 1 | 王楚欽(中国) | 125 | 2 |
6 | 朱雨玲(中国) | 125 | 1 | フランツィスカ(ドイツ) | 116 | 2 |
7 | 馮天薇 (シンガポール) | 108 | 2 | 張本智和(日本) | 100 | 1 |
8 | 何卓佳(中国) | 108 | 2 | 林昀儒(台湾) | 100 | 2 |
9 | 王芸迪(中国) | 108 | 2 | 水谷隼(日本) | 100 | 1 |
10 | 伊藤美誠(日本) | 100 | 1 | 梁靖崑(中国) |
66 | 2 |
11 | 陳幸同(中国) | 81 | 2 | 樊振東(中国) | 63 | 1 |
12 | 杜凱栞(香港) | 58 | 2 | ウーゴ・カルデラノ(ブラジル) | 56 | 2 |
13 | 鄭先知(台湾) | 58 | 2 | 林鐘勲(韓国) | 56 | 2 |
14 | ユ・フ(ポルトガル) | 56 | 2 | ボル(ドイツ)#5 | 50 | 1 |
15 | 平野美宇(日本)#9 | 50 | 1 | 丹羽孝希(日本)#8 | 50 | 1 |
16 | 加藤美優(日本)#22 | 50 | 1 | 張禹珍(韓国)#10 | 50 | 1 |
(メモ)「ポイント計」は2019年のワールドツアーポイントの累計、大会数は2019年のワールドツアー/プラチナ大会の出場数です。選手名の後ろの「#」の後ろの数字は4月の世界ランキングです。同じ50ポイントの選手がこの表以外にもいるため世界ランキング順に優先されます。ITTFのワールドツアースタンディングの表では同じポイントは同じ順位になっていますが厳密には順位差があります。ここにない選手の順位とポイントはITTFのワールドツアースタンディングのページから確認してください。
このワールドツアーランキングが影響するのは、2018年までは12月に行われるグランドファイナルだけでした。しかし、2019年からは新設された3回のT2ダイヤモンド大会の出場にも関係するようになりました。つまり、グランドファイナルと同じように、ワールドツアーランキングの上位15選手(または16選手)のみがT2ダイヤモンド大会に出場できるようになりました。
T2ダイヤモンド大会は、優勝ポイントが1000ポイントですが、ランキングポイントに算入する8大会のポイントとは別にランキングポイントに加算できるため大事な大会です(T2ダイヤモンド大会の詳細はこちら)。
そしてここで重要なのは7月に開催される第1回のT2ダイヤモンド大会の出場権は、中国オープンまでの結果で決定するということです。つまり、ハンガリーオープン、カタールオープン、中国オープンの3回の大会で獲得したワールドツアーポイントの累計で出場権で決まるということになり、対象の大会はあと中国オープンしかないことになります。
実際、現在平野美宇が同点の15位でぎりぎりですが、同じ50ポイントの選手は5選手います。また中国オープンはワールドツアープラチナ大会なので2回戦敗退で50ポイントを得られるため、上位に進む選手も含め16選手が50ポイント以上を上積みすることになります。このため、7月のT2ダイヤモンド大会に出場するには、中国オープンでは最低2回戦、できれば準々決勝以上に進むことが必要になります。
石川佳純の場合は、カタールオープンで1回戦で敗退したため25ポイントで24位です。中国オープンで2回戦敗退の場合50ポイント足して75ポイントですが、現在15位の50ポイントの選手が全員1回戦敗退とは考えにくく、また下から上がってくる選手がいることを考えると、7月のT2ダイヤモンド大会に出場するには最低準々決勝(100ポイント)進出が必要と思われます。