国際卓球連盟(ITTF)のホームページで2017年11月の世界ランキングが発表されました。今月は1日に発表なんて最速です。
今回のポイントは、10月に行われたワールドカップの結果が主に影響しています。
*カッコ内は前月順位 |
女子 | ポイント |
男子 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 朱雨玲(中国)(2) | 3416(+90) | 馬 龍(中国)(1) | 3323 |
2 | 陳夢(中国)(3) | 3283(±0) | 樊振東(中国)(2) | 3201 |
3 | 劉詩ウェン(中国)(4) | 3277(+48) | オフチャロフ(ドイツ)(4) | 3011 |
4 | 石川佳純 (日本)(5) | 3196(-4) | T.ボル(ドイツ)(5) | 2902 |
5 | 平野美宇(日本)(6) | 3133(-18) | 丹羽孝希(日本)(8) | 2803 |
6 | 伊藤美誠(日本)(7) | 3108(-13) | 水谷隼(日本)(7) | 2789 |
7 | 鄭怡静(台湾)(10) | 3029(+39) | 林高遠(中国)(9) | 2751 |
8 | フェン・ティアンウェイ(シンガポール)(8) | 3015(-42) | シモン・ゴジ(フランス)(13) | 2686 |
9 | 孫穎莎(中国)(9) | 3012(±0) | 松平健太(日本)(11) | 2666 |
10 | 王曼昱(中国)(11) | 2979(±0) | 方博(中国)(12) | 2662 |
11 |
(注)ポイントのカッコ内は前月からの増減です。前月順位が「-」となっている選手は前月のランキングのない選手です。通常、ランキングポイント対象の試合に4か月以上出場しなかった場合に、ランキングから一時的に除外されます。福原愛が現在そういう扱いです。
すぐ気付くのは「丁寧がいない」ことです。実は、6月の中国オープンを最後にポイントの付く国際大会に出ていない(T2APACは出ていますが対象外です)ので、ランキング表の下の注記のように4か月間連続して実績がなくランキングから一時的に除外されています。男子では、許昕と張継科も同じ扱いです。ちなみに丁寧の11月のポイントは3330ポイントなので丁寧がランキングから除外されなくても朱雨玲の1位は変わりません。丁寧はワールドカップを故障で欠場したのはいろんな面で痛かったですね。ちなみに、許昕と張継科の11月のポイントはそれぞれ2994、2793です。
他の20位までの日本選手は、女子は12位佐藤瞳(13位)、13位橋本帆乃香(14位)、14位早田ひな(15位)、17位加藤美優(21位)、16位張本智和(18位)、19位吉田雅己(22位)で、ほとんどの選手は一部の中国選手がランキングから一時的に除外されたことによって順繰りに上がったものです。
さてここでいつものように注目のポイント変動を少し細かく見てみましょう。
世界ランキング決めるポイントはレーティングポイントとボーナスポイントの合計で決まります(2018年から別の方法に変わります)。レーティングポイントは試合ごとのポイントで、ボーナスポイントは大会の結果に対するポイントです(詳細はこちらのページで説明しています)。また、これらの加算ポイントは同じ結果でも大きな大会ほど大きくなります。
10月の平野美宇と石川佳純のレーティングポイント(R)とボーナスポイント(B)は以下のようになります。
平野美宇:3151 = 2795(R) + 356(B)
石川佳純:3200 = 2858(R) + 342(B)
対戦相手 | 平野/石川の Rポイント |
対戦相手の Rポイント |
ポイント差 | 勝敗 | 加算ポイント |
---|---|---|---|---|---|
<平野美宇> | |||||
エクホルム | 2795 | 2497 | -298 | 〇 | 8 |
陳思羽 |
2795 | 2614 | - 181 | 〇 | 10 |
劉詩ウェン | 2795 | 3089 | 294 | X | -4 |
鄭怡静 | 2795 | 2735 | -60 | X | -14 |
ボーナスP | 結果:4位 | 36 | |||
TOTAL | 36 | ||||
<石川佳純> | |||||
李皓晴 | 2858 | 2553 | -305 | X |
-28 |
ボーナスP |
結果:ベスト16 |
24 | |||
TOTAL | -4 |
これで石川佳純のマイナス4ポイントは理解できました。しかし、平野美宇はなぜプラス36ポイントではなくマイナス18ポイントなのでしょうか。このからくりはボーナスポイントの仕組みにあります。レーティングポイントは加減されながら選手でいる限り保持されます。これに対してボーナスポイントは1年間のみ有効で1年経つと消滅してしまいます。つまり、平野美宇は昨年の10月のワールドカップで優勝して54ポイントのボーナスポイントを獲得しているので、その54ポイントは11月のポイントでは消滅しているわけです。36 - 54 = -18 というわけです。
この複雑なポイントシステムは来年1月から新しいシステムに変わります。ちょうどボーナスポイントだけで運用するようなシステムになります。このため、大会に出ていないとどんどんポイントが減ります。ITTFはこの新しいポイントシステムで選手の積極的な大会への参加を促したいのだと思います。
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