【卓球】 2018世界ランキング(ITTF World Ranking)

 卓球の世界ランキングはランキングポイントで決まります。毎月1日時点でのランキングポイントの多い順になります。このポイントは国際大会に出場することにより得られます。出場した大会で得たポイントは1年間有効です。また、ポイントの集計はシニア、ジュニアなどの層別に集計されるため、たとえばジュニアの大会で優勝してもシニアのランニングのポイントにはなりません。


この世界ランキングを決めるポイントシステムは2018年から大幅に変更されました。ここではこの新しいランキングポイントシステムをかいつまんで説明します(2017年までの方式についてはこちらをご覧ください)。


  1. 大会で得られるポイントはその大会での最終成績で決まります。最終成績とは「1回戦敗退」や「準決勝敗退」、または「優勝」などです。同じ大会では、最終成績が良ければポイントも高くなります。
  2. 同じ最終成績でも大会の「格」によってポイントは異なります。例えば「準々決勝敗退」の場合、通常のワールドツアーでは1260ポイントですが、格上のワールドツアープラチナでは1575ポイント、一番格上のオリンピックと世界卓球選手権では2100ポイントになります。
  3. 大会で取得したポイントが有効なのは原則1年間です。例外は世界卓球選手権で個人戦と団体戦が1年おきに行われるため、世界卓球で得たポイントは2年間有効です。4年毎に行われるオリンピックのポイントの有効期限は通常の大会と同じく1年のみです。
  4. ランキングを決定する場合、有効なポイントの合計が多い順で順位が決定します。ただし、集計できるのは点数の高い方から8大会分だけです。
  5. 予選のある大会で本戦から参加するシード選手は、初戦、つまり本戦1回戦で敗退した場合に得られるポイントは、1回戦で敗退した場合に通常得られるポイントの半分になります。たとえば、ワールドツアープラチナの本戦1回戦敗退(ラウンド32敗退)のポイントは1125ポイントですがシード選手がこの1回戦で敗退した場合は1125ポイントの半分の563ポイントしか得られません。
  6. 大陸(コンチネンタル)の選手権とカップ戦のポイントは合計する8個のポイントに1個しか加算できません。例えば、平野美宇は2017年は4月にアジア選手権で優勝して1800ポイント、9月のアジアカップは4位で1350ポイントを得ていますがどちらか1つしかランキングポイントに算入できないので高い方の1800ポイントを選択することになります。
  7. 団体戦でのシングルの勝利は、オリンピックとワールドカップでは250ポイント、世界選手権団体戦では本戦は250ポイント、予選はディビジョンによって勝利ポイントは少なくなります。
  8. 予選でグループリーグがある場合、グループリーグでの1勝に付き加点があります。たとえば、通常のワールドツアーで45ポイント、ワールドツアープラチナで57ポイントとなります。通常のワールドツアーでグループリーグで2勝して1位通過し予選トーナメントも勝って本戦に出場し1回戦敗退の場合、1回戦敗退の900ポイントにグループリーグでの2勝分のポイント90(45x2)が加算され、この大会での取得ポイントは990ポイントになります。

ポイント表の例

 ここでは使用頻度の高いワールドツアーとワールドツアープラチナのポイントの表を例に挙げておきます。また、各大会の優勝と準優勝のポイント、および団体戦の場合の1勝のポイントの比較表も上げておきます。

ワールドツアープラチナ   最終成績 ワールドツアー 
 2250  優勝  1800
 2025  準優勝  1620
 1800  準決勝敗退  1440
 1575  準々決勝敗退  1260
 1350  2回戦(ラウンド16)敗退  1080
 1125  1回戦(ラウンド32)敗退  900
 675  予選(ラウンド32)敗退  540
 450 予選(ラウンド64)敗退  360
 225 予選(ラウンド128)敗退
 180
 113 予選(ラウンド256)敗退
 90
 57  予選グループリーグでの1勝  45
 20  予選グループリーグで無敗  15
 優勝ポイント 準優勝 ポイント  団体戦の1勝のポイント
 オリンピック  3000  2700  250
 世界選手権(個人/団体)  3000  2700  250
ワールドカップ(個人/団体)   2550  2295  300
 ワールドツアー
グランドファイナル
 2550  2295  --
 ワールドツアープラチナ  2250  2025  --
 ワールドツアー  1800  1620  --
 大陸選手権(アジア選手権等)  1800  1620  180
 大陸カップ(アジアカップ等)  1800  1620  --
 チャレンジシリーズ  900  810  --
 大陸競技大会(アジア競技大会等)  1050  945  70

 いままでのランキングポイントシステムでは、選手になった時点からの1試合毎の勝敗の積み重ねによるレーティングポイントがあり、このレーティングポイントに直近1年間の大会の結果によるボーナスポイントを足すシステムでした。このため、 ある程度の実績があり大きなレーティングポイントを持っている選手は ボーナスポイントの高い大会さえ出場していれば年間に多くの試合に出場しなくてもランキングの順位を維持できました。


 しかし、今回の変更によって直近1年間の大会の成績のみでランキングが決まるようになるため、ベテラン選手も大会に出てポイントを稼がないとランキングの順位が下がってしまいます。ベテランにも国際大会への積極的な出場を促すとともに、伸び盛りの新人にはランキング上昇のモティベーションを与えるためのランキングポイントシステムの変更と言えるでしょう。

おもろかったら「いいね」してや。Tweetでもええで。