8月15日からワールドツアーのブルガリアオープンがブルガリアのパナギュリシテで始まります。本戦に先立ち予選が8月13日と14日で行われます。
今回のブルガリアオープンは年6回あるワールドツアーとしては第4戦、ワールドツアープラチナを含めたワールドツアー(計年12回)としては第8戦となります。
日本選手は1月のハンガリーオープン(ワールドツアー)に出場していないので、ワールドツアー/プラチナは3月末のカタールオープンから、シニアの大会に枠を広げても日本選手が出場できる大会は早田ひなが優勝した2月中旬のポルトガルオープン(チャレンジプラス)が実質的な年内の国際大会の最初の大会なので、この8月以降が年内の大会の後半戦と言ってもいいでしょう。
実際に、8月以降はワールドツアー/プラチナの5大会以外に、アジア選手権、ワールドカップ、チームワールドカップ、T2ダイヤモンド(2大会)、そしてグランドファイナルと大きな大会だけでも前半より多く、さらにチャレンジプラスとチャレンジシリーズが8大会あります(詳細なスケジュールはこちらの表を参照)。
特に、ワールドツアープラチナのドイツオープンとオーストリアオープン、ワールドカップ、チームワールドカップ、グランドファイナルはポイントが高く、またT2ダイヤモンド大会はポイントがそのまま加算されるので、これらの大会の結果はオリンピック代表選考に使用される2020年1月の世界ランキングに大きく影響するので代表を狙う選手には重要です。
今回のブルガリアオープンに出場する日本選手は女子22名と男子21名、総勢46名とヨーロッパの大会にもかかわらずかなり多いです。中国はトップ選手の出場はなく、女子はいつもどおり12名ですが男子は6名と少なめです。
大会の概要、大会日程、出場選手、見どころ、ライブ配信の視聴方法についてまとめました。
2019ブルガリアオープンは年間に6大会あるワールドツアーの4番目の大会です。
(1) 競技種目
行われる競技は以下の6種目です。
(2) 試合方式
(3) 獲得できる世界ランキング用のポイントはこちらを参照
(4) 賞金総額:190,000米ドル(約2090万円)
シングルス優勝賞金:21,000米ドル(約230万円)
日付 | 女子シングルス | 男子シングルス | 女子ダブルス | 男子ダブルス | 混合ダブルス |
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8/13(火) | 予選トーナメント (1回戦(R128)) | 予選トーナメント(1回戦(R256)、2回戦(R128)) |
予選トーナメント (1回戦(R32)) |
予選トーナメント (1回戦(R32)) |
|
8/14(水) | 予選トーナメント (2回戦(R64)、3回戦(R32)) |
予選トーナメント(3回戦(R64)、3回戦(R32)) | 予選トーナメント (2回戦(R16)) |
予選トーナメント (2回戦(R16)) |
予選トーナメント (1回戦(R32)、2回戦(R16)) |
8/15(木) | 決勝トーナメント 1回戦(R32) |
決勝トーナメント 1回戦(R32) |
決勝トーナメント 1回戦(R16) |
決勝トーナメント 1回戦(R16) |
決勝トーナメント 1回戦(R16) |
8/16(金) | 2回戦(R16) |
2回戦(R16) | 準々決勝 準決勝 |
準々決勝 準決勝 |
準々決勝 準決勝 |
8/17(土) | 準々決勝 |
準々決勝 |
決勝 | 決勝 | 決勝 |
8/18(日) | 準決勝 決勝 |
準決勝 決勝 |
(メモ)予選の詳細なスケジュールはこちらを、本戦(決勝トーナメント)の詳細なスケジュールはこちらをご覧ください。
今大会に出場する日本選手は、次のとおりです(太字はシングルスのシード選手です)。
・女子
平野美宇、石川佳純、伊藤美誠、佐藤瞳、芝田沙季、加藤美優、橋本帆乃香、長﨑美柚、安藤みなみ、早田ひな、塩見真希、成本綾海、徳永美子、木村光歩、木原美悠、森さくら、森薗美咲、阿部愛莉、中畑夏海、野村萌、平侑里香、小塩遥菜
・男子
張本智和、丹羽孝希、水谷隼、吉村真晴、森薗政崇、松平健太、吉村和弘、宇田幸矢、平野友樹、神巧也、有延大夢、町飛鳥、金光宏暢、田中佑汰、松山祐希、木造勇人、髙見真己、定松祐輔、田原彰悟、坪井勇磨、田添響
[2019/8/6追記] 𠮷田雅己 と田添健汰がキャンセルにになったので修正しました。
[2019/8/10追記]三部航平がキャンセルになったので修正しました。
シングルスには全選手が出場します。女子ダブルスは、平野美宇/芝田沙季、長﨑美柚/木原美悠、男子ダブルスは丹羽孝希/吉村真晴、宇田幸矢/吉村和弘、混合ダブルスには石川佳純/張本智和、伊藤美誠/水谷隼の各ペアが出場します。男子ダブルスの2ペア以外はシードです。
中国選手は、トップ選手の出場がなく18選手(女子12名、男子6名)が出場します。 女子の何卓佳と陳幸同以外は全員が予選からで す。
以下に出場する選手を挙げます(太字はシングルスのシード選手です)。
女子:何卓佳、陳幸同、顧玉婷、武楊、李佳燚(LI Jiayi)、劉曦(LIU Xi)、馮亜蘭、張薔(ZHANG Qiang)、範思琪(FAN Siqi)、木子、楊蕙菁(YANG Huijing)、劉瑋珊(Liu Weishan)
男子:鄭培鋒(Zheng Peifeng)、趙子豪(ZHAO Zihao)、馬特、薛飛(Xu Fei)、夏易正(XIA Yizeng)、朱霖峰(ZHU Linfeng)、
ダブルスは、女子は顧玉婷/木子、陳幸同/李佳燚、男子は夏易正/鄭培鋒、趙子豪/朱霖峰、混合ダブルスは武楊/馬特、何卓佳/朱霖峰の各ペアが出場します。すべてのペアが予選から出場します。
女子シングルスは、ヨーロッパの大会のためか台湾の鄭怡静やシンガポール馮天薇、さらに香港勢は出場を回避したようですが、それでも日本選手や中国選手、それに韓国の徐孝元(ソヒョウォン)と田志希(チョンジヒ)がシードで、地元のヨーロッパ勢でシードに入ったのはルーマニアのスッチとサマラ、オーストリアのポルカノバ、ハンガリーのポータの4人に留まっています。
男子シングルスは、韓国の李尚洙、林鐘勲、鄭栄植、香港の黃鎮廷(ウォンチュンティン)、ヨーロッパ勢ではオフチャロフ(ドイツ)、ピッチフォード(イングランド)、サムソノフ(ベラルーシ)、ゴジ(フランス)、グロート(デンマーク)、ハベソーン(オーストリア)、そしてナイジェリアのアルナとインドのグナナセカランがシードになっています。
今大会は中国のトップ選手が出場を回避しているため、女子シングルスの第1シードは石川佳純、続いて伊藤美誠、平野美宇となっています。男子シングルスも第1シードは張本智和、第3シードと第4シードが丹羽孝希と水谷隼になっています。
これは、男女共に優勝を狙える位置に日本選手がいるということです。5月から7月のアジアサーキットの後の毎年8月に行われるブルガリアオープンとチェコオープンは中国国内の全中国運動会など大きな大会と日程が近いため中国選手があまり出場しないので、日本選手に優勝のチャンスがあります。実際に、2017年はブルガリアオープンで石川佳純が、チェコオープンで伊藤美誠と張本智和が優勝していますし、昨年もチェコオープンで石川佳純が優勝しています。
もちろん、女子シングルではシードに中国の何卓佳と陳幸同、また予選からの中国選手にも強い選手はいますが、けして倒せない選手ではありません。
男子シングルは、好調の韓国勢に加えてオフチャロフやピッチフォードなど女子よりは上位の選手が多いですが、中国トップ選手がいないのは優勝、あるいはかなり上位の成績を出す大きなチャンスであることは間違いありません。
しかし、この8月の2大会はワールドツアーなので準々決勝敗退では900ポイントしかなく、世界ランキングに影響のあるポイントを稼ぐには準決勝以上に進むことが必須になります。
この2大会でいい結果が出れば東京オリンピック代表レースで優位になるだけでなく、9月のアジア選手権や11月初めのチームワールドカップでの選抜や起用にも影響することが考えられるため、その意味でも好成績は必須です。
以下のサイトでライブ配信がある可能性があります(今回配信対象の卓球台(Table)はT1(Table1)~T3(Table3)の3台と思われます)。ブルガリアのパナギュリシテは日本と6時間時差があり、日本が6時間早いです。つまり、現地の10時は日本の16時になりますので注意が必要です。